観光型MaaSの姿を垣間見る京浜急行の「葉山女子旅きっぷ」

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京浜急行が10月からリニューアルさせたパッケージ型の周遊きっぷ、「葉山女子旅きっぷ」はMaasである。MaaSとは何か、という定義を今日は議論したいのではなく、今後MaaS時代がやってくるのだとすると、そこに一足飛びで行くことはできないが、来たるべき時代に備えて今からできること、すでに実現していることを再確認して、MaaSになったらもっと便利にできればいいのではないか。という話である。

さてまずこれは「女子旅」となっているがご安心いただきたい、おじさんでも使える。子供料金の設定もある。商品としては、東京方面などから新逗子駅までの往復乗車券、鎌倉の一部、逗子、葉山の京急バスが1日乗り放題、選べるごはん券選べるごほうび券がセットになって品川からだと3500円である。これらをバラバラで購入すると、品川ー新逗子は往復1300円、食事券は1500円相当くらい、ごほうび券は葉山マリーナからの周遊クルーズだと3000円、このルートをバスで移動すると800円くらいなので合計6400円相当だ。これはかなりお得である。これのルーツ商品とも言える「みさきまぐろきっぷ」という商品はロングヒットになっている。

リストランテAO 逗子マリーナは富士山と江ノ島を眺めながらテラスで食事ができる

葉山マリーナから名島、裕次郎灯台をクルーザーでまわる周遊クルーズ45分は通常3000円である

このサービス、興味深いサービスも提供されている。対象となる飲食店の混雑状況をWEBで知ることができる。これはカメラやセンサーではなく、お店側で人的に報告している仕組みのようだが、そこも実際には結構いい加減な運用ではある。なのだが、一応店まで直接行かなくても、事前に混雑状況を知るために最低限の仕組みは実装されている。

対象飲食店の混雑状況をWEBで表示

またこのエリアの京浜急行バスは、もともとバスの接近情報をリアルタイムでWEBに提供している。

またエリア内にはシェアサイクルも提供されているので、バス以外の小回りがきく自由な移動も可能だ。

逗子マリーナ内のHELLO CYCLINGのポート

台数は多くないが、地元のタクシー事業者にはJapanTaxiに対応しているものもある。

こうした情報にグーグルマップの交通状況なども組み合わせれば、新逗子駅を降り立った時点で最適な周遊方法を提示したり、代案を出す、所要時間を提示することは今すぐにでもできる。天気予報を組み合わせることも可能だ。これは観光型MaaSの姿ではないか。その時空席が目立つお店は、タイムセール的に参加者に対して特別なオファーをすることもできる。

このきっぷは非常にお得であり、今はバラバラなさまざまなITサービスを自分でっ使い分けて隠れ家カフェやお店をめぐるという体験をすると、観光MaaSに必要なものや事が見えてくる。