プロジェクターでエレベーターのドアいっぱいに映像を出す「エレシネマ」

Digital Signage /

株式会社東京と三菱地所株式会社が共同で設立したspacemotion社が、プロジェクターでエレベーター内の大画面を投影するメディア事業「エレシネマ」を開始した。

新しいビルのエレベーターでは、ビルのお知らせやニュース、環境映像を放映するためのモニターを設置するケースが増えている。そのようななか、株式会社東京は、ビルオーナーの負担ゼロの持ち込み媒体として広告メディアとして展開してきた。「エレシネマ」では、プロジェクターを使うことで、エレベーター内での大画面の投影を実現している。

投影コンテンツは、「ビルオーナー配信情報」「防災マップ」「ニュースや天気予報」「スポンサー広告」で構成される。

実際に放映している様子はこちら。

ドア上部が白く塗られてスクリーンとなっており、エレベーター奥にあるプロジェクターから映像が投影される。ドアの開閉を検知し、ドアがしまっているときだけ投影される。実際に見てみると、一般的なエレベーター内の液晶モニターよりも大画面のため、インパクトがある。プロジェクターだと影が気になりそうだが、エレベーターだと後ろに詰めることもあり、混雜しない限りは、影が出ることはない。

しかし、プロジェクターの解像度は荒く、若干ぼんやりとしているうえ、明るいエレベーター内では淡い色合いになってしまい、最先端のデジタル体験をしている気分にはまったくならない。また、動画を見ているときにドアが開閉して映像が切れてしまうのがストレスになる。いや、レシピ動画の放映中にドアが開いてとまってしまうのは、まだ「仕方がない」で許せる。しかし、ドアが閉まって改めて放映が再開されるとき、今度はまったく異なる映像が投影されるのが、とてもストレスになる。せめて、さきほどの動画の続きを流してくれないかと思うのだ。

プロジェクターを使うことで、液晶モニターよりも既存エレベーターへの設置が容易になり、広告メディアとしての価値を持つだけの規模にまで展開するスピードをあげていくことができる。ドアいっぱいに広がる大画面も魅力だ。しかし、映像の品質は、お世辞にも高いとはいえない。また、ドアの開閉のたびに細切れにされてしまうなか、それにあった映像表現方法をまだ見つけられていなさそうなのが心配だ。モニターが点灯されっぱなしで、映像が放映され続ける一般的なDOOH媒体とは異なる映像表現と、それに合わせた広告商品を作っていく必要があると思われるが、同社はどのような展開を準備しているのだろうか。

エレベーター奥に設置されたプロジェクター。これをつけるだけなので、既存エレベーターに追加設置するときには、液晶モニターよりも条件的には容易。