誠品生活日本橋のマーケティング戦略に共感した理由

Digital Signage /

9月27日に「コレド(COREDO)室町テラス」にオープンした「誠品生活日本橋」を巡ってきた。筆者は定期的に本屋巡りをするが、台湾発のこの複合書店が日本でようやくオープンしたのは嬉しい限りだ。

売り場の核となる「誠品書店」はあの代官山 蔦谷書店のモデルとなったことでも有名だ。台湾や香港などの中華圏で50店舗以上を展開していた「誠品生活」がいよいよ東京でも楽しめるようになった。

「誠品書店」のコンセプトは、「くらしと読書のカルチャー・ワンダーランド」で、誠品と言う店名にも彼らのこだわりが現れている。以下ブランドサイトから引用します。

「誠」とは誠実さ、こだわりのあるやさしさのこと
「品」とは専門性、妥協を許さない選択のこと
「誠品」とはよりよい社会の追求と実現を意味しています。

誠品の英語名「eslite」は「エリート」を意味するフランスの古語から取ったもの、「人生を謳歌しようとするすべての人」を表しています。


本、雑貨、文房具、フード、台湾のグッズなどが美しく並んだ店内は、とてもクールで、他の書店とは趣が異なる。この「新しいスタイルの百貨店」は中華圏で評価され、2018年の誠品グループの売上高は180億台湾元(日本円で約624億円)となっている。

「誠品生活」の特徴は、同じ店舗が一つとしてないことで、デザイン、構成などが店舗毎で異なっている。ここ日本橋室町は台湾と日本の文化が程よくハイブリッドされ、独特の雰囲気を醸し出している。店舗は書店、セレクトショップ、レストラン・食品物販、文具の4つの売り場から構成されている。「誠品生活」の特徴である広い廊下を歩きながら、本だけでなく、さまざな商品を落ち着いて見ることができる。

台湾グッズが並ぶ広い通路

書籍のディスプレイも美しく、筆者のような本好きにはたまらない。文学だけでなく、旅、ビジネス、料理などの書籍が目利きの視点で提案されている。特に誠品書店の目玉の「専科本棚」では、「ヒューマニティ、アート、クリエイティブ、ライフ」のテーマに沿った書籍がセレクトされているが、自分の世界を広げてくれる書籍と出会える。

世界やアジアで話題になっている12テーマの本を集めた専科本棚

日本の暖簾や台湾の雑貨やアートが飾られ、リラックスした空間がデザインされているが、その中に結構な数のデジタルサイネージが設置されていた。通常、デジタルサイネージは、空間にマッチせず、ノイズになることが多いのだが、ここのサイネージはほどよい感じで、売り場との調和がはかられていた。

最高の時間を味わう商品を提案
洗練された台湾料理の富錦樹

デジタルサイネージから流れる台湾の景色や文化の映像を見ていたら、台湾に行きたくなった!意外にこの主張しないデジタルサイネージが効果的で、ついつい見てしまう。

本だけでなく、各コーナーごとに訴求ポイントが明確で、顧客にしっかりと情報を伝えようとしていた。紙のPOPで情報を読ませ、デジタルサイネージの映像で世界観を伝えることで、ブランドのストーリーや価値が理解できる。不思議なもので、ほんの数分でなじみのない台湾ブランドへの親近感もわいてくる。

販促は顧客に合わせて変えるべきで、うるさい広告を望まない顧客には、彼らにフィットする方法を用いるべきだ。ライフスタイルを大事にする本好きな大人に対する新しいコミュニケーションのカタチを「誠品生活」は提案している。うるさい広告が多い日本で、「誠品生活」のこのコミュニケーションが新鮮に映った。

Tags: