【InterBEE2019】Vol.06 メディアを再定義したIGNITION基調講演

AI/Digital Signage/IoT/Media /

放送機器展として放送映像業界を55年に渡って牽引してきたInterBEE。その使命はこれからも変わることはないはずだ。昨今の放送を取り巻く環境はいうまでもなく非常に厳しい。InterBEE IGNITIONはこうした環境において「少し先」への指針になるための企画である。IGNITIONは点火、発火点だ。

IGNITIONは「拡張するメディアは映像に留まらない」をテーマとして、基調講演と5本のセッションとオープニングパーティーで構成されている。映像以外のメディア例として、教育、ナイトライフ、都市、モビリティ、ニッチ・メディアという一見メディアには見えない、放送とは関係なく見える5つのテーマが用意された。メディアとは情報の記録、伝達、保管などに用いられる物や装置であり、その視点から5つのテーマ、ジャンルを見ると明らかにこれらはメディアとして機能しているし、逆に言うと放送はジャンルにとらわれない、機能そのものであることがわかる。

「映像の外側で、すべてがメディア化する時代のアクティビスト達」というタイトルで行われた中村伊知哉氏の基調講演では、中村氏が取り組んでいる一連のプロジェクト、デジタルサイネージ、パブリックビューイング、IPDC、デジタル教科書などが東京竹芝地区を拠点として来年からいよい具体的に動きはじめることを紹介。「ウエアラブル、IoT、AIは普及フェーズに入るまでに20年かかっている。竹芝を軸にこの先の20年を考えていく」とした。さらに、インダストリ4.0、ソサエティ5.0、AIの普及によってわたしたちは超ヒマ社会に突入すると指摘し、働き方改革の先には遊び方改革が必要ではないかと問題提議をした。

また中村氏は2020年4月に開校するi専門職大学「iU」の学長に就任する予定である。iUは世界ではじめて学生より教員のほうが多い大学になるとのこと。学生は全員起業を目指すとしている。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 中村 伊知哉 氏
Cip協議会の活動領域

後半のパネルディスカッションは中村氏に加えて、オピニオンメディアmilieu編集長・文筆家 塩谷 舞氏、都市×テクノロジーで国内外で仕掛けるライゾマティクス・アーキテクツ主宰 齋藤 精一氏が参加し、モデレーターのINTER BEE IGNITION仕掛け人 / 株式会社HEART CATCH 代表 西村 真里子氏によるディスカッションが行われた。また、ブランドコンサルタントで株式会社スピーディ 社長の福田淳氏と、経済産業省コンテンツ産業課課長の高木美香氏がビデオコメントで参加した。

ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰 齋藤 精一 氏
オピニオンメディアmilieu編集長 塩谷 舞 氏
ブランドコンサルタント 福田 淳 氏
経済産業省コンテンツ産業課長 高木 美香 氏
株式会社Heart Catch 代表取締役 西村 真里子 氏

福田氏の「新しいクリエイターと付き合う事、街に出ることが大事」との指摘に対して、斎藤氏は「それだけの覚悟があるかが試される」と指摘し、「もっと街を使って稼いでもいいはず。スマホ>街ではいけない」と語った。高木氏の「コンテンツ産業はもっと海外に。そのための支援を続ける」に対してニューヨークと東京を行き来している塩谷氏は、Netflixはどこでもネットで見られるのに、いだてんはニューヨークでは見られない。自分たちで作ったものに自分たちでブレーキを掛けるのはなぜ?」と苦言を呈した。

【関連記事】
・【InterBEE2019】GASKETはInterBEEのメディアパートナーです
・【InterBEE2019】Vol.01 INTER BEE IGNITIONの基調講演は、いま最も近未来のメディアを俯瞰したセッションになる
・【InterBEE2019】Vol.02 GASKET的な基調講演、セッションの見どころ聞きどころ
・【InterBEE2019】Vol.03 InterBEEはこっそりとその名前の意味を変えている
・【InterBEE2019】Vol.04 DOMMUNEでのライブ配信を1万人以上が視聴
・【InterBEE2019】Vol.06 メディアを再定義したIGNITION基調講演
・【InterBEE2019】Vol.07 都市のメディア化はビルにディスプレイを付ける話ではない。深圳市&渋谷
・【InterBEE2019】Vol.08 教育はデジタルで変われるのか?変われないのか?
・【InterBEE2019】Vol.09 InterBEEでAIはどう扱われたのか
・【InterBEE2019】Vol.10 アルファコードのリアルタイム処理の8K360°VR