【東京モーターショー2019】Vol.02 ヒマになった車内で我々は何をするのか

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東京モーターショーは言うまでもなく自動車の展示会である。この自動車が電気で動いたり、自動運転になるということが現実化しようとしている。いたずらに後何年でガソリン車が無くなるとか、運転免許が要らなくなるとかそんなことになるとはGASKETは思っていない。

完璧な自動運転が実現されるには、現在のような個々の車が自律的にセンシングして走行するだけではダメで、車同士が会話する必要があるし、人間はどうしても飛び出してくるので、人間の位置を事前にシステムが察知しておく必要があるが、そこまで行くにはかなりの年月が必要になる。短く見積もって20年くらいは掛かりそうだ。

とは言いながらも、徐々に運転者はヒマになっていくのは間違いない。高速道路に限定すればもう数年でその日がやってくるに違いない。その際にGASKETが注目しているのが、「ヒマなった車内で我々は何をするのか」というテーマである。これは課題でもあり可能性でもある。

あちこちの展示会で近未来の車として展示されているのは、車内で映画を見る、買い物をする、仕事をするといった世界観である。でも本当にそうなのか?GASKETは疑問を感じるのだ。

アイシングループの展示車
アイシングループの展示車。あまり車内での過ごし方について言及はない。
トヨタ車体の展示車。特に何も言及はなく、窓の向こうにはディスプレイっぽいものがあるように見える。

そんな中で、東京モーターショー2019で、車内空間の過ごし方の世界観を示していたのはデンソーとトヨタである。残念ながら他のすべてのメーカーはそういった世界観やその実現性に具体的に言及していた例は一社もない。ここではデンソーの展示を紹介したい。

デンソーがパネルで示していたのは次の2つ。あまり具体的なことが書かれているわけでもない。

トラベル
ビジネス

これらを実現するのがCESで展示されていた車載用のエッジコンピュータ「Mobility IoT Core」である。これによってクラウドに接続しながらエッジ処理も行うという考え方。

ミニPCくらいのサイズ感
基盤だけからはCPUなどは不明。

参加型のデモでは、乗客4人で相談しながら、アバターと仕事を進める場面を体験させていた。具体的にはロボットの配色デザインを配られたタブレットで色使いを設定して、それをアバターが判断して採用するというもの。

中央にはディスプレイテーブル。車窓にあるのは透過型のディスプレイ(これは半透明の有機EL?)
アバターが半透明ディスプレイに表示される。

実際の演出的には、車窓の向こうには6面マルチのLCDが置かれていて、走行中の車窓の映像を表示している。ということは、このマルチディスプレイは実際には車窓の景色ということになり、車内の表示装置は透明のディスプレイのみということになる。これだとディスプレイに何も表示されていないときには一応車窓の景色を見ることができる。通常のLCDだと映像信号がないと黒やブルーの画面が残ってしまう。

奥にあるマルチディスプレイは景色表示用

このように車内でできることと、それを実現するための方法、特にディスプレイをどうするか、使用しないときはディスプレイはどうなっているのがベストなのか。半透明のディスプレイが正解だとすると、それは自動車ガラスと一体化することができるのだろうか。さらに移動中の振動に対して、ハードウエアではなく人間が耐えられるのか。車酔いはしないのかと言った点は相変わらず気になったままだ。どうもこの課題を先送りしている感じがしてならない。

デンソーのビジョンが込められた映像

最後に参考となるのかよくわからないが、エミレーツ航空の最新ファーストクラスに搭載されている「バーチャルウインドウ」を紹介しておく。ボーイング777(エアバスA380ではない)に用意されている最新ファーストクラスは1−1−1の個室タイプのシートで、この真ん中の1列の座席にバーチャルウインドウが設置されている。ここにはカメラで撮影された機外の映像が表示されている。興味深いことは、エミレーツによると将来的に窓を全廃することで構造的に軽量化でき、同時に温度管理も楽になるので燃費向上に大きく貢献するのだと言う。

そこで11月15日(金)にInterBEE IGNITIONにおいて、デンソー インターナショナル アメリカ バイスプレジデント イノベーションの鈴木 万治 氏、AGC株式会社事業開拓部 新ガラス商品展開G infoverre商品開発センターの福井 毅 氏、楽天株式会社/筑波大学楽天技術研究所 未来店舗デザイン研究室 室長/芸術系 教授の益子 宗 氏らを招いたセッションが開催される。詳しくはこちらを参照していただきたい。なお参加にはInterBEEへの無料登録とセッションの聴講登録が必要である。

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