深センのスマートリサイクルボックス、つまりゴミ箱

Digital Signage/IoT /

深センの華僑城創意文化園というアートエリアに向かうためにMTRの僑城東駅から住宅地を歩いていた時に、公園のような場所の一角に、デジタルサイネージがついたリサイクルボックスを見つけた。近づいてみると7つの回収ボックスがあり、左から紙、布、ビン・カン、金属、プラスティック、ガラスの6分別のようである。

真ん中の黄色いところがビンとカンの回収部分で、ディスプレイがついている。

しかしドアを締めてくださいという表示が出たままである。

よく見ると紙の回収ボックスのドアが壊れている。そのためにこういう表示になっているようだ。

ドアが壊れているので実際に試すことはできなかったのだが、その代わりに回収ボックスの中の様子を撮影することができた。赤外線の送受信機が内部にあるのがわかる。案外単純な仕組みだ。

反射板が3枚ついている
こちらが送受信ユニット。
中央上部のこれも何らかのセンサーだろうか
PCと思われるボックス

筐体横にはQRコードがついていたのでアクセスをしたのだが、何故か現場では進むことができなかった。さてこのゴミ箱は一体何なのか。帰国からして調べてみると、リサイクルすると報奨金が貰える仕組みのようである。「小黄狗」というサービスであることがわかった。中国の35都市で運営されていて、ユーザーは4億2800万人とのことだ。このサイトからアプリのダウンロードが可能である。

tsukaikataha 小黄狗アプリをダウンロードしてみた
自分のいる場所の近くの回収ボックスの場所がマップ上で確認できる。なお深セン市だけで現在471箇所も設置されている

使い方は、タッチパネルに表示されたリサイクしたいアイテムを選ぶと画面上にQRコードが表示され、それをアプリで読み込むとポイントが貯まる仕組みだ。廃棄された各飲料ボトルまたは缶の報酬は0.02元、プラスチックは0.2元(半分キログラム)、衣は0.1元で、紙は0.45元、金属は0.2元となっている。システムを初めて使用する場合には2元の報酬を提供する。 報奨金はもちろんWechatかAripayで10元に達するまで引き出せないようだ。缶やペットボトルが0.02元というのは0.31円だ。つまり100円の報酬を得るためには325個集める必要がある。この金額だと職業的に回収を行っても割に合う数ではない。ニューヨークなどではアルミ缶やペットボトルは5セント(州によって異なる)で引き取ってくれるので、「職業的に」集めている人をたまに見かけることがある。しかしこれは純粋にエコ目的であって、いいことをして少しばかりの金銭的メリットもあるわけだ。また現金以外に商品やサービスに交換することもできるようだ。いわゆるポイント交換システムのようなものだろうか。

オリジナルキャラクターの折りたたみ傘も交換アイテムにある

この仕組みは、ゴミを回収しリサイクルするということ、そのためのモチベーションとして報酬を出すということ、そのために投入したアイテムを検収するためのITシステム、なかでもアプリとQRコード、報酬を交換するためのモール(エクスチェンジ)などが組み合わさって実現されている。自治体も何らかの支援をしているようだ。ビジネスモデルとしてどう回っているのかははっきりしない。

見た感じではアイテムの検収システムはかなりいい加減な気がする。何を入れてもわからないように思うのだが、報酬の受取先のアプリで対象者が特定できるので不正は発生しにくいのだろう。監視カメラでモニタリングされてることはこの場所ではなかった。

このリサイクルボックスも、QRコードとスマホアプリで個人とモノやサービスの紐付けを行い、課金または支払いを行っている。レンタル自転車などもシステム的には全く同じことなのだ。