深センライトショーの何がどう凄いのか

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あちこちで話題の深センライトショーに再訪した。比較的不定期の開催だが金土日と中国の祝日に開催されているようである。前回5月の訪問では動画を撮影していなかったので今回は市民中心広場付近で撮影したものをアップする。この位置からだと音楽が殆ど聞こえないのはご容赦願いたい。

まず、このライトショーはビデオで見てもその規模感がまったく伝わら無い。30回以上の超高層ビル、たぶん43棟を利用したショーは、その規模感にただただ驚かされる。あまりにも広範囲なのでどこから見てもその全貌を一覧することはできない。全体を知るにはドローンで撮影された映像を見るしか無い。それは確かにきれいではあるがそれでは規模感が伝わることはない。

もう一つ、これをどうやって実現しているのかということだ。まずディスプレイになっているLEDは、既存の高層ビルにあとから取り付けたものだ。近くに寄ると解像度、すなわち間隔は決して狭いわけではないが、離れた距離から見ることになるので問題はない。であるが、高層ビルの壁面にLEDをあと付けする工事を考えるとその大変さが想像できる。その工事方法を記載した資料は見つけられていないが、おそらくは窓拭き用のゴンドラを利用したのではないかと想像される。

LEDの設置ができたとして、今度は映像の送出はどうやっているのだろう。これもGASKETの想像でしか無いが、ビル単位で送出機が設置されているのではないだろうか。解像度は高くはないのでそれぞれは普通のPCレベルだろう。コンテンツは全体で4Kくらいではないか。これを40ほどのビルに分割して表示させているわけで、大体1棟あたり100Kくらいということになるが、そんなに大きく外した推測値ではないと思う。問題はこの40台の離れたPCをどうやって同期させているのかという点だ。面積的に言うと対象となるビル群は500メートル✕2000メートル以上の空間にあるので、どこかのビルから全部のビルに対して同期信号を送っているのではないだろうか。そう考えると送出機器は各ビルの屋上にあるのが合理的な気がする。その方が外壁に取り付けられたLEDに映像信号を送りやすいからだ。各LEDはゴムなどでできたテープのようなものに固定されているのではないだろうか。

ここまで書きながらネットを検索をしたところ、日本ユーザック社のWEBサイトにヒントとなる写真があった。やはりGASKETの想像通りで、専用のモジュールがあるようだ。このモジュールに何らかのコントローラーがあり、このコントローラーにHDMIの映像を渡しているのではないかと思われる。多分深センでもこういったものを利用しているに違いない。

http://www.yusac.com/decorated/decorated.html

こういったシステムであるとすれば、コンテンツデザインと制作自体は案外簡単で、ごく普通に4Kのキャンバス上で考えればいいだろう。ビルの配置が細長くなっているので、右側左側で分けられて、それぞれが4Kなのかもしれない。解像度の関係で写真や実写のビデオを表示することはほぼ無く、実際の素材はCGである。これによって最終的な見え方は表現力の高いネオンサインのようなものになっている。

こうしたシステム面も十分すごいものであるが、これらを実際に実現させてしまう統率力が日本では全く考えられないものだ。また何よりもこうした費用はどこから捻出されているのか。ビルーオーナーの負担がどれくらいあるのか無いのか。そもそもライトショーの目的は何なのか。実はInterBEE2019に、深セン市の行政関係者がこちらのセッションに来日して登壇をする。こういった話も聞くことができるのではないだろうか。

最後にドローンで撮影された建国70周年記念バージョンのライトショーをご覧いただきたい。実際に現場に来てもこうは見られないが、が故に早大なスケール感とそれを実現させるてしまう深センや中国の勢いを感じることができると思う。