アリババグループのスーパーマーケットである盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)に再訪したのでその時の様子を改めて記事にしておきたい。
前回の訪問は2019年の5月14日であるので5ヶ月ほど前だ。前回に引き続き皇庭広場店である。店内の活気は相変わらずで、鮮魚売り場はまさに水族館である。興味深いのは徹底した品質管理だ。魚介類の水槽には常に担当者が商品の状態をチェックしていて、元気がないものや死んでしまったものはセール品として4割引きで販売されていた。


そんな売り場を見て回っていると、今が旬の大闸蟹があるではないか。大闸蟹とは上海蟹のことである。筆者は最も有名な産地である江蘇省の阳澄湖まで電車とバスを乗り継いて出かけたくらいの上海蟹に対する熱意はある。値段を見ると2杯で99元、つまり一杯なんと750円くらいではないか。日本で食べると、調理された状態でちゃんとした店では一杯5000円以上する。これは買って帰ろうかと真剣に考えたが、ここは購入したものをすぐに調理してくれるはずだ、ということを思い出した。こうしたサービスをグローサラントと呼ぶ。


事前情報や前回来たときにはしっかり確認はしていなかったが、きっと現金も使えるのではないかと思い、店員に確認をしたところちゃんと使えるではないか。これが5ヶ月前からそうだったのかははっきりしない。殆どがアリペイ専用のキャッシュレスのセルフレジだが、一つだけ有人の現金レジがあるのである。
実際の手続きは、最初に商品を選ぶ。魚介の場合は近くにあるビニール袋に自分で入れるか、店員にやってもらう。それを調理カウンターに持っていくと調理料金を記載したシールをくれる。シールにはバーコードがプリントされていて、これを現金決済レジにもって行って決済をする。支払いが完了するとまた紙をくれるので、これを持って先程の調理受付カウンターに持っていくと、ポケベルのようなものを渡してくれるのでこれが鳴るのを待つのだ。
アリペイで支払う場合は専用の端末で同じ処理を行い、ポケベルの代わりに自分のスマホに通知が来る仕組みになっている。



調理のための待ち時間は40分ほどと言われる。すぐ横にはフードコートのようなイートインエリアがあって、沢山の人がイートインで食事をしている。中には大量の酒を買い込み、20人くらいで宴会をしているグループまでいる。



待ち時間には同じく売り場にあるビールを飲みながら待つ。日本では見たことのないハルピンビールにしてみた。このままだと決済したかどうかわからないので、シールを張ってくれる。ほぼ正確に40分ほどで調理完了。今年はじめての上海蟹を格安で美味しくいただくことができた。手が汚れにくいようにビニール手袋の用意もある。


よく考えれば当たり前のことなのだが、現金が使えない場所というのはそんなに多くはない。現行の通貨が基準になっている以上は当然である。将来的に国が管理する通貨が無くなるということはなかなか考えにくい。前回以降、Wechat Payが使えない、入金・着金できな状況になっているので今回は現金を多めに用意して望んだのだが、それで正解であった。逆に言えば現金は使えないという話に惑わされてはいけない。
他にもかなり大きなロブスターが4000円くらいなど、深センに行かれた場合はここで食事をするのはなかなかオススメである。
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