TAL TECH(タリン工科大学)のMEKTORYとは何か

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エストニアのTAL TECH(タリン工科大学)MEKTORYを見学してきた。今年の2月以来の2度目の見学だが、前回とは姿を変え、施設がスタイリッシュにリニューアルされていた。このMEKTORYは産官学提携による起業家支援施設となり、外国人の視察も可能だ。

ITで国を運営しているだけはあり、大学のTALTECHもエストニアのITレベルの高さを積極的にブランディングしている。大学の施設を定期的にリニューアルしたり、見学者を歓迎しているのも、最新のテクノロジーをアピールし、優秀な学生を集めるためだ。政府にしろ、大学にしろ、このオープンな姿勢がエストニアの強みになっている。

MEKTORYは、学生だけでなく子供向けの教育にも力を入れている。ITだけでなく、技術系、工学系の施設を子供たちに開放し、早期教育を行っているのが印象的だ。MEKTORYは研究機関、企業を巻き込んで、ITを中心に理数系の優種な人材を輩出しようと日々努力している。ここにはエストニアや北欧やヨーロッパだけでなく、ロシア、アフリカ、中東、トルコ、アメリカ、日本からも優秀な学生が集っている。

人口130万人のエストニアにこれだけ立派な教育機関を創るために、彼らは上手に資金を集めている。レゴやサムスンなどのスポンサーがお金を拠出し、学生向けの施設を運営している。産学連携をしながら優秀な学生を囲い込もうとしているのだ。また、研究者と学生を起業家と結びつけることで、新しいアイデアを生み出し、大企業のイノベーションをサポートしている。

MEKTORYはこれ以外にも力を入れている分野がある。スタートアップ支援を積極的に行っている。学生たちに資金を提供したり、ピッチのチャンスを与えることで、起業のハードルを下げている。

新たなコンベンションルームを作り、自由にそこを使えるようにし、学生たちに積極的にアウトプットをさせているのだ。ワークショップやピッチを定期的に開催することにより、インキュベーション前の学生のスタートアップ企業をサポートし、起業家マインドを鍛えることで、ベンチャーの成功確率を高めようとしている。

学生のうちになんどもピッチで失敗させ、コンセプトメイキングやマーケティングの経験を積ませ、起業後の成功をサポートしていると担当者が説明してくれた。この失敗体験がMEKTORYの武器となり、ここで学ぶ意義の一つになっている。

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