屋内でのターンバイターン案内を実現したコレド室町のナビシステム「インクルーシブ・ナビ」

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コレド室町(東京・日本橋)では、BLEビーコンを使った屋内測位環境を構築し、建物内の各施設までの経路を案内する音声ナビ「インクルーシブ・ナビ」のサービスを開始した。スマートフォンにインクルーシブ・ナビのAppをインストールすることで、屋内測位を使ったナビゲーションを受けることができる。

システム概要(プレスリリースから)
システム概要(プレスリリースから)
ナビゲーションの流れ(プレスリリースから)
ナビゲーションの流れ(プレスリリースから)

日本国内初 日本橋室町地区において高精度音声ナビゲーション・システム 「インクルーシブ・ナビ」をサービス実装

実際にナビゲーションしている様子は動画で見て欲しい。

測位の精度は高く、最大でも2メートル程度のズレに収まっているうえ、レスポンスも早い。カーナビのように進むべき方向をリアルタイムに逐次案内するターンバイターン方式の音声案内にも違和感を持たなかった。屋内ならではの垂直移動でも、エレベーターならば降りたとき、エスカレーターであれば真ん中あたりでその階のマップに切り替わった。この精度とレスポンスであれば、視覚障害者にとっても実用的ではないか。

アプリ上での経路案内。建築図面をもとにしているのか、柱が目立つ一方、テナントやエレベーターがわかりにくい。北が上にくるノースアップと、前方が上にくるヘディングアップで表示を切り替えられる。

ただ、いまのアプリを健常者が使うと、歩きスマホになりがちになるのが気になった。人が道順を案内する場合は「エスカレーターで地下1階に降りると、左手前方に自動ドアがみえるので、そこから出る」などの目印で説明するため、その案内を受けた人は自然と周囲を見ながら歩くことになるのだが、このアプリだとカーナビと同じように「5メートル先を左」と距離と方向で指示されるうえ、道路と違って曲がるポイントとなる目印が現場にないため、自然とスマートフォンの画面で経路と現在位置を確認しながら進むことになる。まるで飛行機の計器飛行のようになってしまうのだ。もしこれをターミナル駅のように混雑している場面で使えば、衝突事故を招きかねない。ターンバイターンを可能とするほどの精度で測位できるときには、それに応じたインターフェースが必要になると痛感した。そして、それはスマートフォンのアプリだけで完結するのは難しく、現場のサインも含めたデザインとなるだろう。

このナビゲーションシステムの環境を構築した清水建設と三井不動産には、建築物の構造やサインで人の流れをどのように作るか、どのように案内するかについて、豊富な知見がある。今回のインクルーシブ・ナビについても、スマートフォンでのナビゲーションシステムで終わらせることなく、それらの知見をもとにしたアナログとデジタルを組み合わせた新しい案内のあり方を示してくれることに期待したい。