エストニアの配車サービスのBoltがスタートしたBolt Food

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一昨日、エストニアから帰国したが、現地のユニコーン企業のBoltの進化が止まらない。今年の2月に訪問した時には、Boltはただの配車サービスだったが、彼らはスピーディに事業領域を広げ、存在感を高めている。

BoltはUberやGrabのようにフードデリバリーサービスのBolt Foodを今年8月にスタートした。今年の年末までにバルト3国のラトビア、リトアニアだけでなく、南アフリカでもこのサービスをローンチする予定だ。

Boltはまず東欧で、フードデリバリーサービスのシェアを高め、出来るだけ速やかに欧州やアフリカでも展開し、ヨーロッパ、アフリカのナンバー1ブランドになることを目指している。そのため、顧客からは配達料を取らず、無料としている。

現状の配車サービスで、ヨーロッパとアフリカで2500万人の顧客を抱えるBoltは、10万人のドライバーにフードデリバリーを行ってもらうことで、マーケットのシェアを一気に取ろうとしている。ドライバーは配車とフードデリバリーの2つのサービスから収入を得られるメリットがある。

Boltは競合に比べ、配達員の収入を高めに設定している。Uberがドライバーと揉めているのを横目に、BoltはドライバーとWin-Winの関係をつくることで、配車サービスだけでなく、フードデリバリーサービスでも勝者になろうとしているのだ。ドライバーが増えれば、配達時間も短縮でき、顧客の満足度も高まり、サービスがより利用されるようになる。

ドライバーへの支払いを高めに設定すると短期的には、自社の利益を減らしてしまうが、サービスの普及は早まる。実際、エストニアの首都のタリンを歩いていると、グリーンの巨大バックを持った配達員を何人も目にした。サービス開始からわずか3ヶ月で、顧客やレストランからも支持されるサービスになっているようだ。タリンの人気レストランもこのサービスを利用し、使える店舗も増加している。

Boltは以下の3つの課題を解決できれば、この分野の勝ち組になれるはずだ。
■ドライバーを確保し、顧客の待ち時間を減らし、顧客満足度を高める
■優良なレストランの囲い込み
■アプリのUI・UXの強化

少なくともエストニアでは、Boltはこの3つの条件をクリアし、ローンチに成功している。エストニアの小国のベンチャーはUberとは異なるアプローチを洗濯した。Boltは顧客とドライバーの関係を重視することで、配車サービスだけでなく、フードデリバリーサービスでも勝者になりそうだ。位置情報と顧客データを抑えたBoltは、デリバリーのプラットフォームとして、今後ますます存在感を増すはずだ。

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