ラグビーワールドカップ、京都のインバウンド対策は大丈夫か?

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昨日から、京都に滞在しているが、街中に外国人が溢れかえっている。毎年、京都に来るたびに外国人が増えている。京都駅の周りだけでなく、清水寺、高台寺などの観光スポットは、中国、台湾、タイのアジア系と欧米系の観光客だらけで、彼らの会話を聞いていると自分がどこにいるかがわからなくなるほどだ。お約束のようにアジア系の人々は着物で、市内を散策している。私が滞在しているホテルではフロント横の目立つ場所で、浴衣が売られていた。

その京都が力をいれているのが、今月20日に開幕するラグビーワールドカップだ。京都市、京都市観光協会及び京都文化交流コンベンションビューローでは、ラグビーW杯2019をきっかけに京都を訪問する訪日外国人観光客を対象に、様々なキャンペーンを実施する予定だ。大会期間中に日本全国に40万人のラグビーファンが来日予定だが、京都は大阪・花園に集結するラグビーファンの財布を開こうと様々な施策を行なおうとしている。

大会1ヶ月前の8月20日から「Kyoto Welcomes Rugby Fans」を開設した。サイトは英語のみで公開されているが、せっかくのW杯なのだから、多言語での情報発信を行うべきなのではなかろうか?ちなみに観光地図は多言語対応で日本語、英語、フランス語、スペイン語版が配布されるとのことだ。(こちらも中国語、韓国語の対応はないようだ。)

大会開催期間中には、JR京都駅中央改札口西側に臨時観光案内所も設置予定で、京都はラグビーで今以上に外国人観光客を増やそうとしている。「Kyoto Welcomes Rugby Fans」では、レストランの5%の値引きや、フードやドリンクなどが一部無償で提供され、クーポンが WEB上で配られている。特典のある飲食店及び免税店の紹介や、「黄桜の日本酒ツアー」や「伏見の酒蔵めぐり」、「大原野サイクリング」「二条城二の丸ツアー」等の体験型メニューの販売もされている。


外国人観光客は、クーポン画面を、スマートフォン又はタブレットで表示して利用する。
①行きたいお店のクーポンボタンをタップ
②クーポンが表示されるので、スタッフに提示
③スタッフが確認ボタンをタップして完了
参加店舗数は現在182店舗で、今後拡大するとのことだ。


Trip Ideasをクリックすると「東山三条の朝散歩」「白峰神社体験」「Samurai and Zen」などのツアーをチェックできる。ラグビー観戦で日本を訪れる外国人旅行客に、京都の魅力を知ってもらい、京都への旅を提案している。テーマ別のモデルコースを紹介に加え、大阪、東京、札幌などの試合開催地からの京都への交通情報や移動時間もチェクできる。

日本政策投資銀行のレポートによると、2019年ラグビワールド杯の日本大会における経済波及効果は2,330億円と予測されている。開催期間も長く、参加国はオセアニアやヨーロッパが多く、旅行客の滞在期間も長くなりそうだ。また、大会の全日程44日のうち、試合が組まれていない日が19日間あるため、飲食や観光が盛り上がることは間違いない。

今回のラグビーW杯期間中に外国人観光客が増えることで、観光収入の増加も期待される一方で、今、京都で問題になっている観光公害がより酷くなりそうだ。実際、この週末、京都の繁華街での渋滞も激しく、タクシーの運転手さんも苛立っていた。増加した外国人によって、バスの車内も混雑するなど、市民の生活にも影響を及ぼしている。ゴミや騒音など市民の生活圏での外国人観光客とのトラブルも増えているという。

消費型のキャンペーンだけでなく、マナー違反や環境破壊への対策を行っておかないと、住民と観光客のトラブルが頻発し、京都の観光に結果としてダメージを与えかねない。ラグビーワールド杯が近づく中で、観光客が増えると浮かれるだけでなく、関係者には十分な対策を練ってもらいたい。「Kyoto Welcomes Rugby Fans」には、少なくともそういう告知がなかったが、大丈夫だろうか?