【IBC2019】 Vol.08 なぜか注目されないInsta360 GO

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IBCはやはり放送系プロフェッショナルのイベントなのだからだろうか。Insta360 GOにはほとんど注目が集まっていなかった。しかし筆者的にはたいそう気に入ったので、遅ればせながら香港に発注済みである。到着は10月初旬の予定で、それまではこちらのこたつ記事でご容赦願いたい。

さてInsta360 GOとは何か。なにはともあれこちらの動画から。

これだけ見ると新しいアクションカメラっぽく見えるかもしれない。確かにわずか20グラムでこのサイズなのでカメラの固定場所のバリエーションは豊富である。つまり撮影アングルも臨機応変になる。これはGoProによって実証済みなわけで、それをさらに拡大してくれることは疑う余地はない。

で、Insta360 GOのポイントはワンタッチで30秒の撮影ができることだ。それを一回の充電で100本以上は撮影ができそうなこと。結局シロウト、いやプロであってもそうだが、30秒以上撮影してもどうせ使わない、見ていられないわけだ。それは作品作りであっても、ライフログであっても同じこと。長回しなんて余程計算された映像作品作りでもしない限り、無駄以外の何ものでもない。

もひとつ、Insta360 GOで期待しているのがAIを活用した自動編集だ。そしてこれは永遠のテーマとも言える。ビデオは編集が命。でもやはりシロウトにはあまりにも敷居が高すぎる。理由は単純明快で、写真とは異なり、物理的時間軸を前後両方向に持っているからである。これをパズルのように組み合わせて作り上げる作業はまさにプロの領域なのだ。

ところが30秒程度のクリップを、画像認識である程度絵的なつながりを意識しながら、音楽のタイミングに合わせてカットをつなぐことができれば、あくまでもとりあえずであるが、それなりに繋げてくれそうなのだ。

編集素材として見た場合に、Insta360 GOの場合は手に持ってパンするとかズームするとか、そういうことは多分しなくて身体に固定することが多いはず。そして身体のほうが動いていくことによって映像が変化する。つまり見た目映像、主観映像である。主観映像の集合体であれば、AI編集時にそこも考慮できるので編集結果も主観映像になる。余計なインサートが入り込まないから強い。

なのでやはり最初に紹介した旅行記的なものが、最も適していることが予想できる。非日常である旅行に対して、日常である日々の暮らし、いわゆるライフログ、朝家を出て仕事して飲んで食って帰る、みたいな非凡な日常の可視化は、作品的な意味はゼロなのだが、自分の生活状況を可視化してくれることに意味があり、それによって例えば何かを変えようと思わせるきっかけをもたらしてくれる、かもしれない。

かつてライフスライスカメラを体験した筆者がInsta360に対して思うのはそんなことだ。これとMyMeを組み合わせたようなものがもうじき現れて、ライフログからリアルタイムでデータ抽出してそれをネットに投げて、やはりリアルタイムでフィードバックを受ける、つまり今我々がスマホを見て画面タッチして何かの情報を得ている一連のことが、完全自動化される日は近いと考えている。そしてそれが次世代のスマートフォンに該当するものであると。登場まであと2年位くらいか。

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