【IBC2019】Vol.04 Future Zoneの基調講演がブロックチェーンだったのだが

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IBCの中で常に新しい領域を中心に取り上げるFuture Zoneの基調講演として、Tech Mahindra社のBlockchain Practice LeaderのRajesh Dhuddu氏が登壇した。同社はインドのコングロマリットであるMahindraグループの情報、通信、テクノロジー分野におけるデジタルソリューションのサービス会社で、年間売上高71億ドルのグローバルな複合企業体である。日本からはなかなか見えにくいが、グローバルで見た場合のインドの力は、中国にも匹敵するものだ。

Tech Mahindra社のBlockchain Practice LeaderのRajesh Dhuddu氏

Future Zoneの運営主体はIABMである。IABMはInternational Trade Association for broadcast & media technologyの略で、イギリスに本部を置がある。

基調講演は「Blockchain Incubating M&E Future」である。Future Zoneの基調講演にブロックチェーンが選ばれたということには注目しておく必要がある。M&EはMedia & Entertainmentのことである。基調講演は最初に、「ググるというのは必ずしもグーグルで検索をするということではないのと同じように、ビットコインだけがブロックチェーンというわけではない」という、未だに誤解されやすい部分の指摘から始まった。さらに、ブロックチェーンのフェーズは三段階あって、最初がビットコイン、次がそれ以外も含めた仮想通貨で、それらは比較的大げさに語られたが、今後はエンタープライズブロックチェーンが主流になるとした。エンタープライズ領域とは、マイクロ課金が可能な分散型CDN、コンテンツトラッキング、そして契約の管理を示す。

「ビットコインだけがブロックチェーンではない」

メディアとエンターテインメント領域におけるブロックチェーンでは、コンテンツ保護とロイヤリティの支払い、P2Pによるコンテンツのセキュアな配布と収益化、クラウドファンディング、コンテンツのキュレーションといった、制作から配信までの各フェーズにおいて様々な使われ方ができることを示した。

ブロックチェーンの進化
非常に活発に実装されていく領域
メディアとエンターテインメントにおけるブロックチェーンとは何か

しかしながら様々な課題や、誤解も同時に存在している。これらを解決するたためには、自らがブロックチェーンを活用する、利用することであると指摘した。

自らブロックチェーンを実装すること
ブロックチェーンが実装可能な領域1
ブロックチェーンが実装可能な領域2
ブロックチェーンによって複数の複雑な既存システムを統合する必要はなくなる

IBC2018から2019までの1年間で、メディアやエンターテインメントにおけるブロックチェーンは、じわじわとしたゆっくりとした動きだったと言えよう。ブロックチェーンが業界構造や社会構造を変えることができるだけの原動力や推進力をこれから持てるかどうか、可能性はあるがそこはまだまだ未知数のままである。

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