LINEが金融のプラットフォームになる日

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LINEを女子高生のチャットツールだと捉え、積極的に活用してなかった筆者だが、この1年でLINEへの評価が一変した。LINE Payだけでなく、気軽に使える保険や投資のサービスを購入する機会が増えている。

LINEは保険やモバイル決済のLINe Payを軸に、日本有数の金融機関を巻き込みながら、金融のプラットフォーマーとしての存在感を高めている。中国や欧米では、GAFAやBATH、ベンチャーのフィンテック起業が既存の金融サービスをディスラプトして、次々に新しいサービスをリリースしている。ここ日本でもその動きが始まり、その主役になるためにLINEは次々にサービスをスタートしている。

戦略事業として位置付けられたLINE Financialは、LINEというプラットフォーム上で、金融の民主化を行おうとしている。これまでの銀行、証券、保険とは異なるアプローチ、すなわちスマートフォンを徹底活用することで、金融サービスを身近で手軽なものに変えようとしている。

例えば、最近始まったLINE証券(LINE Financialと野村ホールディングスが設立)は、これまで株式投資の経験がないユーザーをターゲットに新たなマーケットを作り出そうとしている。月間利用者数8100万人超のLINEをインフラとして、口座開設、売買、入金・出金などが全てスマートフォン上で行える。(口座開設完了は、LINEで手続き後、郵送されてくる簡易書留ハガキを受けとる必要がある)

今まで株式投資をしてこなかった若者や女性のために
■3000円以下で買える
■お気に入り数が多い
■前日比値上がり率
■業種などから、銘柄選びができるようになっている。銘柄も同社が選んだ日本企業100社と国内ETF(上場投資信託)をLINE上で1株もしくは1口、数百円から取引できる。例えばヤフーであれば300円強、楽天であれば1000円程度から株式の購入ができ、売買のハードルを下げたのが特徴だ。

既存の証券会社のサービスがセミプロを相手にしていたとするなら、このLINE証券は素人をターゲットにしている。そのためUI・UXはわかりやすく、商品説明もシンプルになっている。ユーザー視点で商品が設計され、LINEのアプリ上でサービスが完結でき、入出金も銀行口座の振り込みだけでなく、LINE Payを使えるのが便利だ。証券口座への送金は意外に手間だが、LINE Payを使うことで、顧客のストレスを減らすことに成功している。平日21時まで即時注文・即時約定で取引ができるのもうれしい限りだ。

LINEはユーザー目線で発想できることが強みの会社で、彼らはまさに金融サービスをリデザインしながら、金融業界をディスラプトしているのだ。彼らはLINE Payを基軸に銀行、証券、保険サービスから得られる膨大なデータから、ユーザーのための金融商品を開発し、金融の世界を一変しようとしている。

LINEが金融の世界で成功し、真の生活者のプラットフォームになることで、テンセントやアリババのような巨大エコシステムが日本でも出来上がるかもしれない。そのためには、Line Payの成功と金融機関に求められる信用、信頼の構築が不可欠だ。顧客開拓や商品開発だけでなく、QRコードの不正利用やデータ漏えい対策など、LINEがやるべき課題は山積している。