2019 板橋花火大会

花火大会は5Gで快適になるだろうか

AI/IoT /

夏である。夏と言えば祭り。夏と言えば花火。ほぼ東京な県に住んでいる筆者は毎夏何かしらの花火大会に赴いている。パッと咲いてパッと散る、夜空を彩る花火は、やはり生で視界いっぱいに広がる花火とお腹の奥底まで響く音を堪能してこそである。

しかし都内の花火大会は、とにかく人が多い。今まで隅田川花火大会、明治神宮花火大会、足立の花火大会、そして毎年恒例の戸田・板橋花火大会と様々な花火大会に行って来たが、空いていて快適だった試しがない。有料席を買って良い席でみたらまだ良いのかもしれないが、浮世絵を見ても橋にも屋形船の屋根にも人が溢れている絵が多いのだから、人混みあっての花火大会よ、と自分のケチさを棚に上げ毎年もみくちゃになりながら会場に行き、もみくちゃになりながら帰宅するのである。

テクノロジーで解決するのか

人が多いとどういうことが起きるか。まず通信障害が起こる。先に場所取りしてるね、詳しくは現場で電話 or LINEする!なんてやっていたらまず出会えない。少し前よりはかなりマシになったが、まず携帯電話は繋がらないので、一度離れたら最後、携帯に頼らないで過ごさなければならない。

今後5Gが導入され、多数同時接続にスマートフォンが対応し、誰しもが5G対応の携帯電話をもっていて、その範囲が5Gのエリア対象で誰でもその恩恵にあずかれる…ということになれば、この問題はらくらく解消されるのではなかろうか。5Gは一度に膨大な数の端末と接続出来るので、たとえ花火大会に何万人の人が溢れようと、自分の現在地を共有したり、買い出し隊についでにビールを頼めたりするのではないだろうか。今はとにかく仲間と合流することすら大変である。

そしてトイレ問題。これもまた死活問題だ。お祭りやフェスでは仮設トイレが大量に設置されるが、どこにあるのか、どこが空いているのかというのはもちろんの事、「なぜあの個室は空いているのに誰も使わないのか」などの問題もしばしば発生する。それは電気が切れていたり、紙がなかったり、めちゃくちゃ汚かったり様々なのだが、これもトイレをIoT化することでかなり解決し、そのためには確実に繋がるインターネット回線が必要不可欠である。例えばトイレにセンサーが付いていて、仮設トイレの状況をクラウドにUP、管理室で一元管理可能となれば、トイレ環境の整備も非常にスマートになるだろう。

実際に花火が始まってからはどうだろう。夜空に咲く大輪の花火。筆者は個人的にだが、花火の種類が知りたい。なんという名前の花火なのか、青い花火の炎色反応は銅だったかなんだったかな…ということが毎回頭にちらつく。牡丹や蜂、柳など打ち上げ花火の種類は様々で、先日の板橋花火大会の「日本最高峰の花火師10人が夢の競演!」というコーナーでは、花火の種類の紹介はまるで呪文のようだった。そういった知的好奇心を、例えばLINNÉ LENSというアプリのように、かざすだけで種類がわかったら花火が倍楽しめるのではないか。AIの画像認識で、スマートフォンが花火図鑑になる。花火の種類や成分まできちんと解説。夏休みの自由研究のネタにもなるかもしれない。オフラインでも使用出来るかもしれないが、膨大なデータのやり取りとなると、回線が繋がっていて、瞬時に判断ができることが望ましいだろう。

花火を楽しんだ後の帰り道も、これまた厄介である。とにかく人人人、人の波である。行きは朝から場所を取る人も居れば、直前に来る人など様々なのでばらけているのだが、帰りは早めに退散しない限りどうしてもみな同じ時間に集中してしまう。最寄り駅に行った方が良いのか、少し時間をかけてその場で待った方が良いのか、足を伸ばして隣り駅まで行った方が良いのか、結局最短ルートを行った方がいいのか…。慣れない会場だと、帰りがとにかく大変である。

スマートフォンは誰しもが持っているので、この位置情報をビッグデータ化、例えば帰り道を検索すると混雑を理由に迂回路を提案してくれたり、30分待てば快適に帰れるよ、等を提案してくれるアプリはないものか。ちょうど渋滞情報を取得して迂回路を提案する車のナビのように、人の動きを可視化してくれると良いのだが。都内の花火大会で1番辛いのはこの帰り道で、地元に住んでいる訳ではない人間からすると、「人にもみくちゃにされながら帰る」までがワンセットである。帰り道に時間を潰すお店がないとなおさらだ。

冬場のスキー場と同じく、発達しているスマートフォンをうまく活用できないのが夏場のお祭りだ。でも、回線が飛び交えばうまいこと解決するのではないか。してくれないかなぁ。今使っている技術の延長で、お祭りがもっと便利になったらいいのになと思うのである。