【ソウル2019】リアルとバーチャルが溶け合うSamsung d’lightの展示手法

AI/Digital Signage /

カンナムの交差点のすぐ近くにあるサムスン本社ビル。B1Fから2Fまでの3フロアにあるサムスンの企業ショールームがSamsung d’lightだ。筆者は3回目の訪問であるが、前回の4年前から大幅にパワーアップした印象だ。

2F部分はいわゆる生活家電を中心としたフロアだ。ご承知の通り、サムスンはテレビやカメラなどのAV関連機器だけではなく、冷蔵庫や洗濯機のような白物家電、ヘルスケア製品を展開しており、2Fフロアはリビング、キッチン、ベッドルームなどを模した空間で構成されている。まずは全体像をぐるっとひと回りした動画をみてもらいたい。

こちらはキッチン。台の上にはタブレットが置いてある。

現場で見たキッチンの主観映像

タブレットを手に取ると・・・

タブレットを見ている状況

その場所から見たAR画像がタブレットに現れる。そこにはダイニングで食事をしている家族の姿が動画で現れる。これは現場で実際に見えている景色とタブレット内ARを同時に見ているから不思議なリアリティがある。AR映像だけでは、たとえそれが360映像であっても、「まあこんなものか」で終わってしまう。これはHMDであっても変わらない。リアルな場所と重ね合わせて見ているからこそ意味がある。

原寸大で現場とARが重なりあう感覚がする

リビングのエリアでも同様だ。

リビングルーム
拡大したところ。現場とは違う家具を配置しているAR画像

これはどこかで見たことがある、そうセカイカメラである。ただセカイカメラのときのような「現実の補足のための字幕テロップ」のような使い方であったが、この例はそうではない。タブレットに表示されるのは、タブレットについているカメラの映像に家族のオブジェクトが重なって表示されるのではなく、映像は全部別に制作された完パケ映像なのである。この完パケ映像が、タブレットの向きに合わせて、その場所から見た実際のショールームと全く同じアングルの映像として表示されるのだ。今までの多くのARのような「現実の補足」ではなく、あくまでも「演出」なのである。リアルとバーチャルがとこている感覚である。ショールーム内のどのエリアに移動しても、サムスンの製品を使用している楽しそうな家族が登場するのだ。無機質なショールームに潤いを与えてくれるといってもいい演出だ。

これを応用すると、住宅の購入や賃貸受託を探す時に、部屋に家具を配置してみたり、家族のCGを登場させることもできる。。GASKETで紹介したunico 3DSimulatorと組み合わせると実現できそうだ。

360VRは3DTVほどではないが、予想通り一般的には落ち着いてしまっている。HMDを必要とするからだ。その面倒くささを超えられる場所、状況でないとあんなものを使うわけがない。そして必要とする場面は一定数以上存在する。セカイカメラはとても話題になったが、結局何に使うのということで静かに消えていった。しかし、同じ技術を使って筆者が今一番重宝しているのはGoogleレンズやグーグル翻訳である。外国のレストランではまさに神アプリである。

このように既にある技術、特に一度葬り去られた、忘れられた技術やサービスを改めて掘り起こすとが有効であることは多い。

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