実録「株式投資型クラウドファンディング」第7回~エレガント株式会社~

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このシリーズではDANベンチャーキャピタルが運営する「株式投資型クラウドファンディング」のプラットフォームGoAngel(ゴ―エンジェル)の資金調達実例を紹介している。今回は、珈琲豆の輸入販売を手掛けるエレガント株式会社を紹介する。同社が取り扱っているのは、珈琲豆の中でも「スペシャルティ珈琲」と呼ばれる最高品質の豆。特にパナマ産ゲイシャ種に代表されるブランド力の高い高付加価値の豆に特化して輸入販売を行っているのが特徴である。

同社は、スペシャルティ珈琲の需要増から輸入量の拡大を図るとともに、スペシャルティ珈琲を専門とするカフェの運営を企画。その準備資金として1千万円の公募増資による資金調達を行った。公募増資における株主の募集に利用したのが株式投資型クラウドファンディングGoAngelである。このシリーズで紹介してきた通り、GoAngelでの株主募集の特徴は、「拡大縁故募集」。米国流にはFamily & Friends型の募集にある。エレガントの募集には、得意先のカフェ経営者をはじめ経営者の知人友人など26名が参加した。

エレガントは、2017年4月に、休眠会社であった(株)MJワイキキコーポレーションの株式を現経営陣が買い取る形で実質的に創業。パナマの農園との直接取引によるスペシャルティ珈琲豆の輸入販売事業を開始した。一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)では、一定の評価基準に基づき、液体としての珈琲の風味(カップ・クオリティ)によりスペシャルティ珈琲を判別することとしており、以下の通りスペシャルティ珈琲の条件又は特徴を整理している。

1) 際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
2) コーヒーの豆(種子)からカップ(液体としてのコーヒー)までの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していること、すなわち
3) 生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
4) 適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
5) 適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されること
6) 以上の結果、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

スペシャルティ珈琲は、一般にフルーティーな味わいとほのかな甘さに定評がある。冷めると甘さとフルーティーさが増すことから、入れたてから飲み終わるまでの時間、その変化を楽しめる珈琲と評価される。その一方、価格はプレミアムが付く。

スペシャルティ珈琲豆の中でも世界最高の品質、味わいを評価されているのがパナマ産ゲイシャ種である。エレガントはそのパナマ産ゲイシャ種を筆頭に、コロンビア産ゲイシャ種、エチオピア産ゲイシャ種、ホンジュラス産ゲイシャ種を輸入しており、「ゲイシャ種のエレガント」としての確固たる地位を築くことを目標としている。

今回、エレガントが行ったGoAngelでの株式投資型クラウドファンディングの目標募集額は1,000万円。募集期間は、2018年5月31日から2018年6月25日までの26日間であった。

株価は1株あたり50,000円。金融商品取引法の定めで株式投資型クラウドファンディングでは、一人当たりの投資金額は、1社につき50万円が上限とされている。エレガントの募集における申込コースの選択肢は1口(5株、25万円)と2口(10株、50万円)。DANベンチャーキャピタルの募集取扱手数料を加えた募集価額は1株当たり55,400円である。新たに株主となったのは26名。多くはエレガントの取引先を中心とする知り合いの経営者であった。

エレガントは、ゲイシャ種の安定供給を図るため、パナマの3農園と直接輸入取引に合意。ゲイシャ種に続くブランドとしてルワンダ産チョコ種、ニャカブエ種の輸入を開始するなど、ラインナップの拡充を図っている。今後、スペシャリティ珈琲専門店のFC展開の本格化に備え、モデル店舗となる第1号店を出店する計画だ。エレガントによる日本におけるスペシャルティ珈琲のマーケットの広がりが楽しみなところである。

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