韓国の5Gについては、ソウルのKTスクエアの話を2019年5月15日の記事で紹介していて、この記事はアクセスもかなり多い。そこで筆者も現地で5Gを体験してみたのだが、感想はまさに前述の記事のとおり。まだまだこれからとも言えるし、超高速とか低遅延、同時多接続といった5Gのメリットはそもそも今言うところのスマホ向けではない、とも言える。それはケーブルテレビのワイヤレス化だったり、工場や病院内でのセンシングだったりするのだろう。つまり我々はまだ、5G時代におけるスマホ(に該当するもの)を未だ発明していないということだと思った。
KTスクエアの2階にはそんな5Gの近未来を展示するショールームエリア「 Gallery future」 がある。写真で紹介してみよう。






このように展示内容はB2Bばかりだ。うーん、地味だ。「5Gに対応したiPhoneはどんなに素晴らしい世界がもたらしてくれるのだろう」といったことをイメージしながら展示を見ると、完璧に失望することになる。地味なのである。ちなみに筆者はNTTドコモの本社にある5Gショールーム(法人ルートで予約が必要)も体験しているが、KTスクエアよりは華やかだが、やはり地味なのである。
1,2,3,4Gとケータイの進化を経験してきた我々からすると、次なる5Gには過度なな期待がかかってしまう。それは間違いではないし、実際素晴らしい世界をもたらすと思うのだが、それはiPhone XIでもXIIになっても今とあまり代わり映えがしないような気がする。手のひらサイズで視覚を起点に指先で操作するというインターフェイスに留まっている限り、筆者は今のスタイルのスマホは限界に近いと見ている。では進化はこれ以上無いのかと言うと全然そうではなくて、UIなり形状が変わる、機能が変わることによって別の物になるに違いない。
たとえば乗換案内は東京ではだれもがよく使うサービスだが、あれは手の中のスマホの小さい画面を見て操作することなく情報が得られた方がいいに決まっているわけだ。そのためにはいくらでも別の方法が考えられる。究極は脳内の電気信号を把握して、探索結果をやはり脳内に電気信号で返せばいい。そこまで一気には行けないが、今のスタイル、UIUXはどう考えてもめんどくさい。
ついこの前、ガラケーからスマホに乗り遅れた企業や国があったように、次世代スマホへの移り変わりが今始まろうとしているはずなのだ。
KT squareをあとにして地下鉄駅まで向かう途中のこんな場所に、ギャラクシーノート10の5G版の広告があった。

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