eSIMよりも交通系カードをなんとかしてもらいたいが

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日本でもeSIMのサービスが始まるようだ。従来のような物理的なSIMカードを差し込む、交換するということは、普通に日本国内だけで使う分にはこれまで必要とされることは少ない。あるとすれば海外に渡航時に現地SIMを使う場合くらいだ。この現地SIMを使うことも、いまは各キャリアが提供するローミングで済ませてしまう人や、モバイルルーターをレンタルする人も多い。どちらかと言うとSIMを差し替えるという行為をする人は少数派であった思う。

物理SIMを入手する、差し替える、必要に応じて設定をするという一連の作業がどう考えても面倒だからだ。これらがeSIMによってダウンロードや画面操作だけで可能になるのであれば、かなり手軽になるに違いない。またeSIMのメリットは海外渡航時だけではない。今回スタートするIIJのeSIMサービスは、主に既存のメガキャリアの物理SIMと併用して、電話とデータ通信をうまく使い分けながら2回線運用するという使い方を提唱している。

これはこれで仕組みを理解して設定するにはある程度の知識が必要ではあるが、アーリーアダブターやギークな人たちはきっと飛びつくだろう。筆者はXperia1(+ドコモ)とiPad mini5(+旧フリーテル)の2台運用中で、iPad mini5がeSIMに対応はしているが、この構成だとあまりメリットを見いだせない。さらに海外渡航時には基本的には最も安い現地SIMを使うのでなおさらである。

そんなeSIMは、一定の人々には非常に便利なものになるだろう。しかし筆者はSIMよりもなんとかしてもらいたいものがある。それが交通系のプリペイドカードだ。

現在筆者の手元には14枚の交通系のカードがある。アジア圏が多いが、ニューヨーク、パリ、モスクワ、アムステルダムなど、ある程度の日数以上滞在した都市のものはたいていは持っている。そして当然チャージされた全額使い切ることはまず無い。そしてこれらは一部の例外を除いて、有効期限が設定されていないものがほとんだだ。つまりこの14枚のカードの残額合計はそれなりのものになるはずだ。海外渡航も海外SIMも期限があるが、お金はそうではない。

同じことは外国の紙幣や硬貨でも起きているが、これらは金額が全部わかることと、やろうと思えばこれまた一部の例外を除いて日本円に両替することができる。最近は国内のいろいろな場所で国際両替機を見かけるようになった。筆者は海外のお金は紙幣はそのまま次回まで保管し、硬貨は航空機内か羽田や成田にあるユニセフの募金箱に入れてしまうので問題ないが、GASKETでも紹介したPocketchangeでは、外国のお金を日本の電子マネーなどに両替してチャージできる。

それにしてもどうにもならないのが交通系カードなのである。技術的には読み取りや書き込みすること自体は簡単だと思う。しかし、当たり前だが手元にあるFeliCaのリーダーでそのまま読み取れるものは一枚もない。そこを読み取ったとしても、各地の事業者と交換ルールを作ってそれを実行、実現することはは事務的作業が非常に煩雑であることは容易に想像できる。通貨であればデジタルデータよりもこのあたりは圧倒的にシンプルで簡単であるのだが、なぜかデジタル通貨モノはとてつもなく面倒くさそうというのが現状である。

こうした手間をクリアしたとしても、この変換ビジネスが単独で成立できるとは今のところ思えない。すぐにできることとしては、ユニセフが空港で世界の交通系カードを回収すればいいのにと思う。

デジタルデータだから圧倒的に簡単なはずなのに、なぜこれが大変なのかに関してあれこれ考えていくと、デジタル化された貨幣価値が存在しているこうした場面で、どこが問題なのかが自ずと見えてくる。そして今後暗号通貨系がこうした通貨の流通にもたらすインパクトを想像すると、夜も眠れなくなるのである。日本がキャッスレスとか言ってる間に、10年もかからず通貨の世界は激変するのだろう。

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