cookpad storeTVはOMOメディアなのか?

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レシピサイトのクックパッドが運営している「cookpad storeTV」の導入数が6,000台を超え、カバーエリアが全国47都道府県になったようである。デジタルサイネージ媒体としてはかなりの規模である。

筐体は食べ物と同居しても違和感がない
このときは枝豆レシピだったが、枝豆とディスプレイの距離がこれだけ離れていると一体感が薄れてしまう。あくまでものこの店舗のこのケースの話ではある。
背面の様子。2枚のシールがこれだけ見えてしまうのだから。もうちょっと配慮というかデザインが欲しい
cookpad Liveアプリでは、タレントなどを起用したレシピ動画(縦)が多数公開されており、LIVEも提供されている。これもやはりテレビ的だ。

cookpad storeTVを語る際には、やはり競合とみなされるDELISH KITCHENとの比較をせざるを得ない。まず店頭における視認性であるが、これはcookpad storeTVの圧勝である。オレンジ色の筐体は食品売り場で自然に目立ち、媒体名もはっきりと視認できる。この媒体名の認知は案外重要で、自分の意識の中に「スーパーの売り場にあるテレビ」ではなくcookpad storeTVとして記号化されるからだ。DELISH KITCHENの方は白いタブレットにしか見えないのと、なぜか媒体名などのブランディング要素がない。

「DELISH KITCHEN」の店頭での様子

cookpad store TVはDELISH KITCHENにはある紙のレシピを置いていない。これはコストが見合うかはわからないがあれば明らかに便利である。

肝心のコンテンツについては、cookpad storeTVには飲料などのメーカーとのタイアップ映像、というよりテレビ的なタイアップ企画が目立つ。またディズニーのような料理とは関係のタイアップ企画まであり、確かにトイ・ストーリーは目を引くかも知れないが、メディアとしての位置づけが見えにくい。つまりは総花的な地上波テレビっぽい。

またレシピ動画部分も両者は大きく異なっている。cookpad storeTVは従来料理番組っぽく、カメラアングルも豊富で、シズル感あふれるカットも多い。テレビCMっぽいのである。一方のDELISH KITCHENはまるで異なり、カメラは真俯瞰の固定。とにかく食材をパーツ化して、それを組み立てていく過程を表現する動画マニュアルである。またデコ弁ほどではないが、インスタ映えしそうなメニューや材料の使い方、盛り付け方が明らかに重視されている。動画での訴求の方向性が「おいしそう」と「作れそう、映えそう」の違いとも言える。

これら2つのサービスは意図的にターゲットを分けているのかはわからないが、DELISH KITCHENの方がいま風であることは間違いない。cookpad storeTVはテレビ的でサイネージ的でメディア的で、どちらかと言うとこれだけで完結できている、あるいは完結してしまっている。レシピ動画というのは自宅で役に立つものであるはずなので店頭だけで完結してしまっていいのかとう疑問が残る。つまりOMOはしていないのである。狙いが違うのだろうが、かなり違う指向性の事例であると感じた。

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