ホーチミンのコスメ売り場で目立つデジタルサイネージ

Digital Signage/IoT /

スタンダードチャータード銀行のチーフグローバルエコノミストであるDavid Mannとその調査チームは、2020年代に世界経済を牽引し、7%のGDP成長が期待される国を5つピックアップしている。2010年代は中国の経済成長が著しかったが、このリストからは中国が除外さてている。

ブルームバーグの記事“Asian Economies Set to Dominate 7% Growth Club During 2020s”の記事を以下抜粋する。まず、成長が予想される5つの国を紹介する。
■インド
■バングラデシュ
■ベトナム
■ミャンマー
■フィリピン

これ以外にエチオピアとコートジボワールも7%の成長ペースに達する可能性があり、これは通常10年ごとに国内総生産が2倍になることを意味する。当然、一人当たりの収入にも恩恵をもたらす。特に、ベトナムでは一人当たりの収入が、昨年の約2,500ドルから2030年には10,400ドルに急上昇すると予測されている。

Seven economies set to grow at around 7% through 2020s, with surges in per-capita GDP, Standard Chartered Bank 

コンサルティング会社ナイトフランクも、「Wealth Report 2019」で、ベトナムにおける資産3,000万ドル以上の超富裕層(UHNW)の人数が2018年に、前年から7人増えて142人になったと発表した。

ナイトフランクはベトナムの超富裕層は、向こう5年でさらに31%増加するとの見方を示している。また、ベトナムのミリオネアの人数は、2018年に1万2,327人となり、前年から5%増加し、さらに、2023年には1万5,776人に達すると予想されている。

実際、筆者はベトナムのホーチミンに注目し、月に一度のペースで訪問しているが、彼らの購買意欲はデフレが続く日本を上回り、ショピングセンターは買い物客で賑わっている。ホーチミンのサイゴンセンターには高島屋が入店しているが、一階の化粧品売り場には、日本と同じようなブランド化粧品が出店している。資生堂、シューウエムラ、ランコム、ゲラン、ディオールが軒を連ね、日本で買い物をしているような錯覚に陥る。

この化粧品売り場で目立つのが、デジタルサイネージの存在だ。実は、ホーチミンでは高島屋などの高級ショッピングセンター以外では、ほとんどデジタルサイネージを目にすることはない。各売り場にはディスプレイが置かれ、プロモーション動画や化粧品の使い方に関する動画が放映されている。


クオリティの高い売り場とデジタルサイネージを活用したプロモーションが、商品のブランド価値と信頼を高めている。リッチな演出をすることで、日本ブランドの高級感を訴求することに成功している。また、体験コーナーも充実し、資生堂の売り場では日本の美容アドバイザーのデモンストレーションが行われ、ベトナムの富裕層が多く集まっていた。日本製の化粧品のクオリティを実感することで、日本製品のファンが増えることを筆者は願っている。

ベトナムの化粧品マーケットは今後も伸びが期待されているが、韓国企業が数多く進出し、マーケットでのシェアを高めている。韓国企業に比べ、日本企業は出遅れているが、まだまだ可能性はありそうだ。現地の女性に聞くと日本の化粧品は欲しいが、日本製を語った商品や偽物が多く、本物を買いたいという意向が強まっているのがわかる。実際、ホーチミンの街中には偽物商品が溢れかえっている。

現地のマーケットには、堂々と偽物の洋服や雑貨、コスメが売られている。一方、日本への旅行で日本商品の魅力を知った富裕層が増えることで、日本製品の需要も高まっている。2020年代がベトナムの時代であることは間違いないのだから、より多くの日本企業に進出してもらいたいものだ。