ユニクロのセルフレジを体験し、その圧倒的優位性に驚く

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人手不足とテクノロジーの普及で、スーパーのセルフレジがこの1年で当たり前の存在になってきた。そのセルフレジの波がファッション業界でもスタートしている。先陣を切ったのは売上高が2兆円を超えた巨大企業ユニクロだ。国内の既存店売り上げが減速しているユニクロはWEB戦略を強化し、ECサイトでの売り上げ比率をこの数年高めてきたが、最近ではリアル店舗での改革にも手をつけている。

筆者は先日アキバトリムのユニクロの店舗を訪れたが、この売り場が大きく変わっていていたので驚いた。なんと有人レジのスペースが大幅に縮小され、店舗中央のゴールデンスペースに、数台のセルフレジが設置されていたのだ。レジの動線は向かって右側が有人レジ、左側がセルフレジとなっており、顧客がどちらかを選択するようになっている。多くの顧客はセルフレジを選択していた。今はレジ入り口、袋詰めの台の横に案内係が一人立ち、顧客のサポートを行っていたが、万引き防止の役割も担っているのだろう。

以前、日経新聞の記事でユニクロがICタグを活用したセルフレジの実験を都内で始めたというニュースを読んだが、今回自分で体験することでこのユニクロのセルフレジがスーパーのそれとは全く異なるものであることが明らかになった。

スーパーのセルフレジは商品をいちいちスキャンする必要があるが、ユニクロのセルフレジはとてもシンプルだ。店頭POPもそれを訴求している。(1)商品をおく。(2)料金を支払う。(3)袋に詰めて完了。商品の精算は慣れれば、すぐにできそうだ。ユニクロはこのセルフレジで、時短という買い物体験を顧客に提供できるようになった。

セルフレジの使い方は本当に簡単で、タッチパネルの指示に従うだけでよい。顧客は購入したい商品を台に置き、支払額をチェックし、精算、あとは袋に詰めるだけだ。袋詰めはレジの反対側の台で行うようになっている。マイバッグの使用も問題なさそうだ。

ユニクロでの買い物に私は以前からストレスを感じていた。レジでの待ち時間が私にとってのユニクロの買い物での最大の障壁だったのだが、今回のセルフレジの導入で、この待ち時間が大幅に解消された。

ユニクロの商品タグにはRFIDのチップが内蔵されているので、いちいち商品をスキャンする必要がない。RFIDチップの価格が下がってきたことが追い風になり、ユニクロはセルフレジに舵を切り、買い物体験をアップさせることで、競合との差別化を行なっている。

RFIDチップ価格が下がっているとはいえ、全てのタグにRFIDチップをつけられるのもユニクロの資金力、交渉力、そして経営者の英断があったからだと思う。ユニクロはRFIDを導入することで、商品の検品、入荷、在庫管理、棚卸、販売など多くのプロセスで効率化を図っている。セルフレジで店頭での顧客体験を高めると同時にユニクロは従業員の働き方も変えているのだ。検品、商品管理、出荷、棚卸といった作業から従業員が解放され、顧客を満足させることに従業員がシフトできたら、ユニクロの売り上げは再びアップするだろう。

ブラックな職場と揶揄されるユニクロだが、イノベーションを活用することで人手不足の解消を狙っている。初任給を2割アップするなどのニュースが注目を集目ているユニクロだが、ITの活用でも従業員満足度も高め、離職を防ごうとしている。今回の施策は、IT投資で遅れをとる多くの競合に脅威になるはずだ。

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