レンタサイクル戦争、MaaSで勝つのは赤い自転車か

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赤い自転車か、白い自転車か。前回「東京シェアサイクル陣取り合戦勃発」という記事をエントリーしたのだが、実際に白い自転車(記事内ではロゴカラーである黄色い自転車と表記)のHELLO CYCLINGを利用してみると、これはもうどうしても、特にMaaSという視点からすると、ドコモ・バイクシェアに軍配が上がってしまうのではなかろうかという思いがしてしまう。

先日、幕張での出来事。幕張メッセでの展示会のために準備日から海浜幕張のAPAホテルに宿泊していたのだが、明日以降の備品の買い出しが必要になったため、最寄りの100円ショップを探していた。例年御用達の、宿から歩いて行ける範囲の100円ショップはいつのまにか潰れており、どうやら歩いて15~20分ほどかかる巨大なイオンしか選択肢が無さそうだ。100円のためにタクシーを使うのもと悩んでいた矢先、そうだ、ひょっとしたら千葉ならHELLO CYCLINGが使えるのではと思い立ち、調べるとAPAホテルにもイオンにもポートがあるではないか。これは使わない手はないぞ、と意気揚々とHELLO CYCLINGで出かけることにしたのだが、最後の最後で痛い目を見た。全ての用事が済んで帰宅したホテルのポートで自転車が返却できず、違うポートまで行く羽目になったのである。

レンタサイクルを利用するにあたって何よりも重要なのは、「どこで借りられてどこで返せるか」だ。つまりどこにポートがあるのか。これが目的地より遠ければ選択肢からは外れ、違う交通手段を考えなければならない。近ければ近いほど選択肢としては有り難い。

今回はじめてHELLO CYCLINGを使ってみてわかったことは、「ポートが満杯だと返却が出来ない」という致命的なことだ。てっきり自分が借りたAPAホテルで返せるものだと思って、ホテルのポートに戻ったあ時点で、自転車本体に装着されている端末で返却処理(RETURNボタンを押すこと)をしたところ、端末に「返却不可能」の文字が出たときの絶望感といったら無かった。

HELLO CYCLINGの自転車に装着されている端末

確かにアプリをよく見ると返却可能かどうかを確認することができる。そこまで確認していなかった筆者に落ち度はあるのだが、泣く泣く近くのポートを探して返却することになり、利用時間もかさみ、結局長距離歩くことになってしまい、雨まで降ってきて、どこでも借りれてどこでも返せるが売りなのでは…?と悲しい気持ちになった。

HELLO CYCLINGアプリでは上部のタブの切替で返却可能なポートを確認することができるのだが・・・

これはひとえに筆者がドコモ・バイクシェアに慣れすぎてしまっているという点も大きい。ドコモ・バイクシェアの場合、 ポートとは「場」や「スペース」に近く、 自転車を固定する金属製のステイの数や空きに関係無く、ポートから 10m位離れていても返却することができるため、返却上限台数や満車という概念がなく、「どこでも返せる」というイメージだ。 どういう仕組みかというと、各駐輪場(ポート)にビーコン発信機が設置されていて、自転車と通信することで指定の駐輪場であると認識するので、自転車を固定する金属ステイが仮に全て埋まっていたとしても返却することが可能なのだ。つまり場所さえわかっていれば、交通手段としての選択肢となり得る。

微弱電波を発生する装置

一方HELLO CYCLINGは、ポート毎の収容台数が自転車を固定する金属ステイと同数と決まっているので(少なくとも今回はそうだった)、今回の様に「帰りは満車になってしまった」ということが発生する。ドコモとは異なり仕組みはGPSの位置情報のようで、特定エリアにいる自転車の台数とステイの数を見ているようだ。一方のドコモは極論するとポートに何台でも返却できるようなのだ。

誰がいつどこに返すかわからないシェアサイクルにとってそれは予測不可能で、いうなれば目的地がいつの間にか消えてしまう、という事態に等しい(返却予約も出来るようだが、かなり調べないとその情報にはたどり着けない)。これを目的地までのシームレスな移動とみなしたMaaS的な利用をするとなると致命的で、言わせてもらえばとっても不便だ。HELLO CYCLINGの料金が安くても、自転車自体の質が良くても、1人で4台まで借りられても、アプリで自分の利用状況が一目でわかるなどの利点があっても、「返したいところに返せない」というただその1点だけで全てがパーになる。

HELLO CYCLINGのポート

前回のエントリーでは2つのサービスはさっさと統合してくれないかなと書いたが、HELLO CYCLINGのシステムに統合されてしまうのはちょっとまずい。ノーストレスでどこでも借りれてどこでも返せるドコモ・バイクシェアのシステムを導入しつつ、HELLO CYCLINGの良質な自転車に乗って出かけられたら最高なのにな、と我が儘な利用者は思うのである。