車やビルのガラスが5Gのアンテナになる

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5Gについて否定的なことが囁かれることも多い。もちろん課題は多いが、それらは解決されるために存在するものであり、実際に移動体通信の世界では3Gから4Gのときも同じ議論だった。放送の世界ではハイビジョンなんて必要ないという議論が圧倒的主流派だったし、いまなら8Kなんか必要ないというのがまさに主流だ。

今年や来年の話ではないが、5Gがもたらす恩恵は計り知れず、5Gを見越して今できることをベースにビジネスを設計することが重要なのである。

そんな背景を感じながらも、GASKETが地味に注目しているのが5Gのガラスアンテナである。2018年12月のGASKETの記事「5Gにまつわるウソとホント」はアクセスが非常に多い記事の一つだが、記事内でも指摘しているように、28GHz帯という電波がなかなか手ごわい。逆に言えばこれだけ周波数帯が高いので、電波数直線的に言うといわば「電波の量」が多い。5Gの特徴である高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性といったことは、突き詰めると28GHz帯のような高い周波数帯であるが故に使える電波の量が多いので、デジタル技術を駆使することが可能なのだと言っても大きくは外さない。周波数帯が高いということは前述の記事の通り扱いにくい。でも我々はそれを技術で克服してきた。

蛇足ながら、28Gと4Gや5Gの「G」は全く意味が異なる。28GのGはGHz(ギガヘルツ)という周波数の単位の話で、5GはGenerationのGである。蛇足ついでにWiFiの5Gは5GHzのことだ。

で、5Gアンテナの話だ。28GHzともなるほほとんど光と同じような直線性と減衰性を持つようになる。そこで車の中や部屋の中まで5Gの電波を送り込むためには工夫が必要になる。そこでガラス、つまり窓なのだがこれを活用しようということだ。こちらのビデオを御覧いただきたい。

AGC公式チャンネルより

補足すると、アンテナと言うと衛星放送用のパラボラアンテナのように、テレビとケーブルでつながっていたり、かつてのケータイ電話のように電話機本体に一体化するような物理的接触されているイメージが強いが、この実験ではアンテナは受信機と直接物理的につながるとは限らず、いわばレピーター、反射板のような機能を果たしている。

実験の詳細はAGCのWEBで公開されているのでそちらを参照願いたい。このアンテナ技術のは先日開催された人とくるまのテクノロジー展で展示されていた。

AGCの5G向け合成石英アンテナ
自動車、接道、航空機などに利用可能になる日も近い

これは景観や美観上はもちろん、どこにでもある、どこにでも必要なガラスがアンテナを兼ねることによって、別途アンテナを設置する必要がなくなることを意味する画期的なものだ。

AGCにはインフォベールというガラス一体型のディスプレイがすでに多数市場で利用されている。今後これに映像を表示されないときには透明なガラスになる機能が実用化されることも期待される。そうなれば自動運転のモビリティ空間での過ごし方や活用に全く新たなイノベーションを起こすに違いない。このようにガラス5Gアンテナは地味だが非常に重要な技術なのだとGASKETは見ている。

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