DELISH KITCHEN ✕ ライフのOMO事例

Digital Signage /

レシピ動画のDELISH KITCHENが大手スーパーマーケットのライフと組んで、レシピ動画のデジタルサイネージへの展開を開始した。これもOMO(Online Merges with Offline)のひとつの形である。

DELISH KITCHENは、株式会社エブリーが展開するレシピ動画サービスだ。テレビCMも放映している。自社のWEBサイトだけでなく、専用アプリが提供されており、さらにインスタグラム(200万フォロワー)、twitter(19.4万フォロワー)、Facebook(149万フォロワー)、LINE(22万フォロワー)、YouTube(32万人チャンネル登録)などのSNSプラットフォームにも直接動画配信を行っている。これによってわざわざWEBサイトに行かなくても、こうしたSNSのタイムライン上でレシピ動画を見る、あるいは接することができる。重複がどれくらいあるのかはわからないが、SNSだけの単純フォロワー合計で422万人である。

DELISH KITCHENの専用アプリ

DELISH KITCHEの急成長の背景は、やはりわかりやすいターゲットの属性や視聴環境に合わせたわかりやすいレシピ動画ということだろう。従来のテレビの料理番組とは大きく異なり、「キット製品の組み立てマニュアル」のような構成と演出になっている。下記のレシピの例ではアオリイカをさばくのだが、これを見れば一目瞭然だ。イカをさばいたことがない人でも機械的にできそうだ、怖くないと感じさせる映像なのだ。プロの料理人や料理研究家が作るものを見せてきたこれまでの料理番組とはまるで違う。

店頭に置かれたデジタルサイネージは10インチのタブレットである。売り場ではギリギリ認識できる最小サイズと言えよう。筐体の下には、レシピが書かれたリーフレットがあり、自由に持っていくことができる。これはこのリーフレットを見ながら料理をするためと言うよりは、材料の一覧から買い物メモ的な役割を担っている。またこれは保存性も高いので、家でこれらをパラパなめくりながらメニューを考えることもできるだろう。

店頭サイネージでのレシピ動画にとって最も重要なのは、簡単そう、美味そう、作ってみようと思わせることである。そしてもちろんこのサイネージの周辺にはすべての食材ではないが、主要な食材が置いておくことは当然である。

ハガキ大くらいのレシピが書かれたリーフレット
表面には完成写真と所要時間、カロリーも表示
買い物メモとして使える材料表。そして自宅でスマホから動画にアクセスしやすいようにQRコードは必須だ

家に帰ってQRコードを読み込むと、店頭のサイネージと同じ動画が表示される。これを見ながらキットの組立、いや調理を行う。

スマホで同じ動画を見る
PCで同じレシピ動画を見る

アドバタイムズのこの記事広告によると、ライフの店頭デジタルサイネージには32インチから55インチまでのディスプレイと10インチのタブレットがあるようだ。これらの比較では、大型モニターの効果が高く、10インチのものと比較して販売点数・売上が160%以上伸びているとのことである。

アドバタイムズの記事
https://mag.sendenkaigi.com/senden/201804/pickup/012846.php

DELISH KITCHENのビジネス構造には、動画の配信は月額480円のプレミアム会員制度がある。また食品メーカーなどのクーポン配布による販促費、そして今回のライフを始めとする小売店の集客販促の支援などだろう。

オンライン上の複数のメディアを融合させて、実際の売り場、買い場に映像を持ち出し、気付き(美味しそう)と体感(簡単そう)を与え、購買を促す。いままでの売り場では、単にイカを置いていただけだが、これに具体的なソリューションをビジュアルで提供している。そしてQRコードで自宅のキッチンでこれを実践できる。

キッチンと売り場とキッチンを行き交う、交わらせる。それにレシピ動画とは配信のためにインフラがある。オンラインとオフラインが交わるのである。

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