OMOの一つのカタチ「BORIS」って何だ?

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最近、自宅に帰るとネット通販で買った洋服のダンボールが目につくことが多くなった。買い物のし過ぎかと思って家族に注意したが、BORISというサービスを使っているから大丈夫だとの返事だった。日本ではZARAやユニクロがこのBORISに対応している。

「BORIS」は”Buy Online Return In Store”の略で、オンラインで購入し、店舗で返品することを指す。「BOPIS」”Buy Online Pickup In Store”というサービス(オンラインで買った商品を店でピックアップする)と共によく使われるようになってきた。

ECサイトの最近の課題は上昇し続ける返品率だ。インターネットで洋服を購入することが増えれば、色やサイズの問題から返品が増えるのは当たり前だ。社員の返品の手間が増える中、amazonなどはこのBORISを積極的に展開することで、顧客満足を高めると同時に、利益率を高めようとしている。

アメリカでは売上の10%を下回る程度だった返品率が、eコマースが成長した現在では30%にまで増加しているとのことだ。アパレル分野では返品率40%になることもあり、返品への対応が重要な経営課題になっている

特にオンラインで買った商品では、顧客は返品の際の面倒を嫌う。ダンボールに再度箱詰めし、運送業者に依頼して待つよりも、近所の店舗で返品したいと考える顧客も多いはずだ。うちの家族もBORISが利用できる場合には、店舗に返品に行くことが多い。

この動きがネット専門の業者に不利に働くことがわかってきた。アメリカの調査によるとオムニチャネルのあるショップの顧客の収益は21%高くなっている。どんどん要求が高くなる顧客にとって、BORISなどの選択肢を増やすことで顧客の購買行動を刺激できる。

UPSの調査によると、返品で実店舗を訪れる買い物客の3分の2がついで買いをしていることが明らかになった。買い物客の60%がオンラインで買った商品を店頭で返品したいと考えている。これはECとリアル店舗を持つチェーンに有利に働く。BORISのトレンドが進めば、ECの専業業者はより経営が苦しくなるはずだ。

アメリカのamazonではオンライン商品の受け取りと返品場所として、以前より郵便局が使われている。amazonは2017年に、アメリ力大手デパートのコールズとの提携をスタートした。なんと競合のコールズの店舗での返品をOKにしたのだ。amazonは顧客サービスの向上をはかり、一方のコールズは返品を集客の手段にした。小売の王者のamazonが存在感を高める中、競合もamazonと手を組むことで生き残りを図っている。

日本のamazonではこのBORISはまだ採用されていない。私も何度か返品を経験しているが、梱包や発想が面倒なので、リアル店舗での返品を可能にしてもらいたい。

BORISやBOPISの動きを見ていると、日本でも小売の戦略的提携が始まりそうだ。OMOで顧客満足を高めるために、この数年で小売の合従連衡が激しくなることが予測できる。

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