インバウンドを意識したサイネージ事情

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デジタルサイネージジャパン2019(DSJ2019)が、先週幕張メッセで開催された。この数年で日本を訪れる外国人は急激に増加しているが、今回のDSJでも訪日外国人をターゲットにしたサイネージが目に付いた。

2018年の訪日客数の内訳は以下の通りで、日本をなんども訪れているリピーターも増加している。
1位 中国 838.0万人
2位 韓国 753.9万人
3位 台湾 475.7万人
4位 香港 220.8万人
5位 米国 152.7万人
6位 タイ 113.2万人
7位 その他 564.9万人
リピーターの目的地は東京や大阪だけでなく、鄙びた温泉や地方の商店街などにも広がり、目的やエリアも多様化している。経営者は増加する外国人観光客との商売をスタートしているが、言語や接客などの課題に直面している。

当然、多くの店舗が外国人観光客を獲得するため、様々な施策を行っているが、外国人訪問客の多様化に追いついていないのが現状だ。サイネージ業界も店頭でのインバウンド対策向けのサービスを強化している。今回のDSJでも多言語対応のデジタルサイネージが印象に残ったので、今日はその中からVietual AI CREWを紹介することにする。

このサービスは、電音エンジニアリングが開発したものだが、人型のCGキャラクターがで多言語でアテンドしてくれる。デモでは、ハンバーガーショップのオーダーを体験した。タッチパネルで言語を選択するだけで、自分の言語で商品を簡単にオーダーできる。また、サイネージに取り付けられたマイクを通じて、音声からもオーダーができるようになっている。中国語や英語で注文することは、当然顧客も便利だが、店にとっても多言語対応の店舗であることを告知できるメリットがある。簡単なセットメニューであれば、店舗側も各言語への対応も可能だろう。

音声を活用したサイネージといえば、メッセに隣接しているイオンモール幕張新都心でも、多言語サイネージの実証実験が行われていた。店舗入り口付近に館内案内用のサイネージが設置され、英語や中国語で店を探せるようになっていた。店名と目的別で店舗を検索できるが、筆者は英語を選択し、目的別のメニューからレストランを選んでみた。サイネージにお店の候補が表示されると、マイクに向かって行きたい店を伝えるように指示される。英語で店舗名を告げるとレストランの場所がサイネージに表示される。これなら外国人が広いモールで目当ての店を探す際に、迷子にならなくてすみそうだ。日本語が話せない買い物客のストレスも減らせるので、スムーズに買い物をするためのサポートになるだろう。

最近、都内のデパートなどでは、インフォメーションに英語や中国語を話せるスタッフを配置しているが、ローカルのショッピングセンターにスタッフを配置することは難しい。また、人件費が高騰している中、採用に苦労している店舗も多いはずだ。そんな課題を最新の多言語サイネージが解決してくれそうだ。訪日客のストレスも減らせ、彼らの顧客満足も高められるはずだ。

今後、言語を追加することで増加が予測されるインドネシア人やベトナム人にも対応できる。これらの多言語サイネージが人手不足の日本の救世主になるかもしれない。