不便ゼロより先に環境汚染ゼロのためにテクノロジーを駆使せよ 「LUSH」新宿店

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街やショッピングモールを歩いていると、華やかな香りが漂ってくる。その先を見てみると色彩豊かな商品が積み上げられた、スキンケアやバス商品を取り扱っているフレッシュハンドメイドコスメブランド「LUSH」がある。日本全国に約90店舗ほどある有名店舗であり、そんな経験をしたことのある人は多くいるのではなかろうか。

LUSHは今回従来のコンセプトと違った店舗を6月1日、新宿にオープンした。規模はアジアで最大、LUSHとして世界で唯一デジタルツールを駆使した体験型ショップとなっている。

その中でも「Lush Labs アプリ」の商品スキャン機能についてスポットを当ててみようと思う。

LUSHは、人・動物・環境にやさしいビジネスを目指しており、今までも動物実験廃止、容器のリサイクルなどの取り組みを続けています。現在環境保全のためプラスチック包装をなくした商品が世界で話題になっており、LUSHでは、ボトルに入っていないシャワージェルや、固形のシャンプーなどパッケージを必要としない商品を「ネイキッド」と呼んでいる。ゴミとなってしまう不必要なプラスチック包装を脱ぎ、固形化した商品を裸の状態で販売するこの「ネイキッド」はLUSHの揺るがない信念の一つとなっている。

LUSHではこのパッケージがない状態で商品を詳しく知ることのできる「Lush Labs アプリ」というものがある。商品にカメラをかざせば、詳しい説明が出てくる。さらに嬉しいことに、バスボムがお風呂の中でどのような模様になるのか動画が再生される。現在店舗内で実際にバスボムをお湯に溶かし実演して見せる方法はあるが、この方法では時間がかかるし、気になるものが多数ある場合頼みにくいし、実演をしてもらってあまり好みではなかった場合断りにくい。この事態を解消してくれる。

筆者は長いことLUSH商品は購入していなかったが、この方法を用いれば自分自身で細かい情報をすぐに手に入れることができるため、従来の商品についているPOPだけではわからない魅力だったり、不安が解消されたことにより購入に至った。購入したのは見た目は白ベタの四角いバスボムなのだが、お湯に入れると中から青い花がたくさん出てくる。これは商品を見ただけでは分からないし、動画でみなければどんなビジュアルの花がどのように出てくるのか分からない。値段もそこまで安いものではないので、できるだけ情報は確かなものを仕入れたい。

やはり形が認識されにくいものはあり、精度は100%ではないが、商品名を入力すればすぐに説明は出てくるので、その辺りは問題ないかと思われる。

ただ少し気になったことが2点ある。

1つ目は、商品が複数積まれているものや、背景に模様が多数入ってしまうアングルの撮影をするとき、正確に認識されるように手でとる人もおり、LUSH製品の特徴でもある色彩豊かな素材やラメなのが手につき、その手で他の商品を触ると移ってしまう。見本用に1つだけ触れられるようにしたり、香りを試すために顔に近づけたい人もいるだろうから、天井部分だけを解放したボックスなどにいれて、箱のまま手にとってもらったりなどすれば解消できるかもしれない。とにかく筆者は手がいろんな色に染まりキラキラになった。香りも手に移り、しばらく幸せな気分になれたが、他の商品に香りが移っていないか心配だ。

白くて四角いだけのバスボム…。これは認識しにくそうな商品だ。候補の1番最初にトートバッグが出てしまった。

2つ目は、カメラで読み込む際、商品の最新情報(新商品などか)をダウンロードする必要が出てくること。ダウンロードしなくてもスキャンはできるが、古い情報の商品しか検索にひっかからない可能性が高い。筆者は6月1日にダウンロードしたが、6月4日現在、2回ダウンロードしている。それぞれ10数MBほど。

ということで、いずれも小さな問題だが、まだまだカメラの精度の問題他様々な課題はあり、プラスチック包装をしてそこにシールで説明をつけた方が手間がかからず便利な点もある。しかし、LUSHは環境保全をブランドイメージとしてかなり意識しており、現在プラスチックゴミに関する問題意識が少なかった日本人も徐々に変わりつつあるこのタイミングで、このようなプロモーションは大きなインパクトになるかと思われる。

日本ではプラスチックゴミの意識がやっと一部の人たちに芽生えてきているが、まだまだ意識が足りていない。新しいテクノロジーを始めるにも、不便な点を潰してからではないとスタートできないことが多い。テクノロジーは生活を便利にさせることだけが目的ではない。地球環境保全のためになるのなら、多少の不便は出ても勇気を出して新しい取り組みに挑戦してみてはどうかと考える。

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