回線を使いながらユーザーにそれを意識させない見守りサービス「GPS BoT」

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近年では、子供の見守りや高齢者の徘徊対策などのニーズから、携帯キャリアの多くが、キッズ携帯やキッズスマホなどのサービスを提供している。しかし、携帯電話の持ち込みが禁止されている学校も多いため、ビーサイズ株式会社では端末には一切のUIのない、定期的に3G回線で測位情報を送信するだけの端末を使った見守りサービス「GPS BoT」を提供している。

同サービスを使うには、専用端末を購入したのち、専用Appをスマートフォンにインストールして端末のシリアル情報を入力してリンクさせることで、端末の測位情報をスマートフォンで見られるようになる。3G回線を使ったサービスだが、ユーザーは回線契約を行う必要はなく、それに伴う2年縛りなどの制限もない。回線付きkindleと同様に、携帯電話の回線は使っているものの完全にサービスの裏方になっている。ユーザーが回線を用意し、そのうえで複数のサービスを利用するのではなく、サービスに対して回線があり、ユーザーは回線の存在についてまったく気にする必要はなくサービスだけを使えばよい、IoTの時代らしいサービスデザインになっている。

専用端末には、ランプと充電用のマイクロUSBポートがあるだけで、スイッチなどの入力インターフェースは一切無い。マイクロUSBポートの上部にはシリアルが印刷されている。
専用端末には、ランプと充電用のマイクロUSBポートがあるだけで、スイッチなどの入力インターフェースは一切無い。マイクロUSBポートの上部にはシリアルが印刷されている。
端末のシリアルをスマートフォンのApp上で登録してアカウントとリンクさせることで、端末の位置情報をApp上で見られるようになる。
端末のシリアルをスマートフォンのApp上で登録してアカウントとリンクさせることで、端末の位置情報をApp上で見られるようになる。

測位方法は、GPS、携帯電話の基地局、Wi-Fiアクセスポイントの3つの情報を使ったトリプル測位と謳っている。ただ、数週間使った感想としては、ここのチューニングはまだ甘く、とくに都市圏で使うには不満が残る。

たとえば、地下鉄に乗っていると大きく測位がズレる。GPSが使えない地下では基地局情報を使った測位を行っていることが原因だと思われる。地下鉄のトンネル内はひとつの基地局で広域をカバーしてしまうため、それだけではまともな測位はできない。Wi-Fiアクセスポイントの情報を使うことが必須になるのだが、そのあたりがまだうまくできていないようだ。

また、自宅や学校などのスポットを登録することで、そのスポットからから出発したり、到着したタイミングでスマートフォンAppに対して通知を出す機能があるのだが、このスポットは地図上で半径20メートル程度の範囲でしか指定できない。マンションのような、高さのあるところでは、出発や帰宅の検知が、実態とは大きく変わってしまう。たとえば、BoTを持った子供がマンションの周辺で遊んでいたときには、数分ごとに出発/帰宅通知が飛んできてしまった。スポットの検知にあたっては、GPSや基地局情報をそのまま使うよりも、これらをトリガーとしたうえで、Wi-Fiアクセスポイントの情報をもって確定させるほうが実態にあうのではないだろうか。

地下道を歩いて帰ってくると、かなり混乱したトラッキングデータになる。
地下道を使って自宅付近まで遊んで帰ってきたときには、かなり混乱したトラッキングデータになる。
測位データが揺れることで、自宅からの出発と帰宅が交互にアラートされてしまうことがある。トリプル測位が十分に機能していないのではないか。
そして、あふれる通知。

測位データは、結果に大きな揺れがでるために有効活用するのは容易ではないのだろうが、サービス全体では優れたUXを実現しているだけに、なんとも惜しく感じる。今後のソフトウェアのブラッシュアップとともに、たとえば、自宅や学校など、より高精度の検知が求められるところでは、据え置き型の端末と組み合わせた通知を実現するなど、もう一段の発展に期待したい。