KT本社KTスクエア前はこんな様子

韓国で5Gを体験してみて感じた「もうすぐ到来する世界」

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連休中に韓国へ行って来た。仕事ではなく、家族旅行である。

しかし韓国と言えば5G、と考えてしまうのがGASKET。そして道を歩けば5Gの文字があちこちに見える。というわけで、家族にカフェで休んでもらっている間、少しだけ韓国で5G体験をしてきた。
まず、5G対応スマホの状況だが、韓国最大手の通信事業者KTの本社1階にある展示スペース「KTスクエア」で話を聞いてみた。すると、正確な状況を把握しているわけではないが、という前置き付きで、おそらく韓国中で品薄ではないかという。

続けて、それは5G人気が高いからなのかと聞いてみたら、もちろんそれもあるし実際に問合せは多いのだが、それと同じくらい仕入れが少ないと率直に教えてくれた。これはGASKETの想像だが、おそらく5G対応モデムチップを製造するクアルコムからの供給が、いまだ十分ではないように思われる。

次に、そのKTスクエアの中の人に無理をお願いして、少しだけ屋外に出てみた。5Gの電波を掴むと、やはりとても高速である。彼らもこうした依頼が多いのか要領を心得ていて、スピード計測アプリが入っているのだが、いまだかつて無線通信で見たことのないようなスピードが表示されている。もしこれが本当にいつでもどこでも使えるようになるならば、確かに「光ファイバいらず」と言えるかもしれない。

ただ、「5Gの電波を掴むと」という留保が重要である。ほんの少し歩き回った程度だが、電波がなかなか拾えない。そして掴んだと思ったらまたいなくなってしまう。まるで蜃気楼か逃げ水か、というような印象である。

これには理由がいくつかありそうだ。まず単純にサービス開始当初なので、基地局の敷設が少ないこと、そして使っている周波数帯が高域であるという特徴ゆえ、特にその敷設状況ではなかなか簡単に電波が届かないこと。また、高精細動画のような「5Gニーズ」がないかぎり、そもそも5Gの電波を捕まえようとしないよう、端末側で制御されているようでもある。

では端末としてまったく使い物にならないかといえば、そんなことはない。世界中の多くの5G環境がそうであるように、韓国の5Gは当初ノンスタンドアロンで作られる。大雑把に言えば4Gと5Gのインフラの共存であり、5Gが利用できなければ4Gを使うことになる。なので、何も考えなければ4Gを使いつづけており、これには何ら問題はない。実際、短い時間の屋外体験で5Gを捕まえられたのはほんのわずかで、あとは普通に4Gの利用であった。

すなわち、2019年5月において、5G固有のエクスペリエンスは、まだ何もない、というのが実態である。特に5Gのもう一つの特徴である「低遅延」は、その良さを体感できるようなニーズやそれを反映したアプリがないと、なかなか体感しづらい。それもあって、現状では「概ね4G、ところにより一時5G」という、まるで初夏の天気のような利用状況であった。

ではそれがネガティブに感じられたかと言えば、正直「これでいいのだろう」とGASKETは考えた。インフラが切り替わる時、昨日まで安定していたものが今日から不調というのは最もダメなパターンで、おそらく「あれ、変わったの?」というくらいがちょうど良い。特に4G以降、世界的に「アプリエコノミー」が勃興し、通信は私達の生活インフラになりつつある。その責任の重さを考えれば、おいそれとは移行できないし、してはならない。

それでも、まるでポケモンGOのように突然出現する5Gの可能性は、わずかながら体感できた。そしてこれが完全に普及するとなれば、確かに世の中の景色はまた大きく変わるであろうことも、予感できた。そんな2019年5月の5G体験であった。

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