ユニバーサルデザインなデジタルサイネージが街に溢れる未来

Digital Signage/Media /

街を歩くと、前は紙のポスターだったところがデジタルサイネージに切り替わっているという場所がたくさんあるところが見受けられる。それは大きなデパートのような店舗に限らず、個人で経営している小さなお店なども含まれている。先月、ビックカメラ有楽町店を訪れたときにデジタルサイネージ機器専用の販売コーナーが設けられているのを発見した。それほどまでにデジタルサイネージは身近になっている。

いたるところに普及したデジタルサイネージを見てひとつ気になったことがある。それは表示されるコンテンツのユニバーサルデザインについてである。

企業が業者に依頼してコンテンツを作成する場合、デザインは万人を考慮して作成されるのが普通だ。しかし、個人で作成する場合、そこがスルーされてしまう可能性がある。特に、知識がなければ見落としがちなユニバーサルデザインがある。それは色覚異常がある人を考慮した色彩のデザイン、ユニバーサルカラーデザインである。

色覚障害の中でも一番割合が多い先天赤緑色覚異常は、日本人では男性は全人口の5%、女性は0.2%という数値で、男性は20人に1人という割合で存在する。症状としては、赤系統や緑系統の識別が難しくなる。特に背景色とともに彩度が低い場合や色面積が小さい場合はさらに認識が難しくなる可能性が高い。

現在そのような色覚異常を持つ人たちを考慮したシステムやソフトなどが存在する。それはデザインソフトの中にある変換機能から始まり、スマホアプリのカメラでかざしたものをリアルタイムで変換してくれるものなど多種多様であるが、あまり広く知られていない。そのような方法を使用しても良いが、デジタルサイネージを利用しているからこそそういったソフトを使わずともデジタルサイネージ本体で簡単に確認できる機能を搭載してしまうのはどうだろうか。

色覚障害の人の視点をリアルタイムで確認できるスマホアプリ「色のシミュレータ」。
色覚障害のタイプごとにカメラをかざして見ることができる。(色のシミュレータ)

現在でもモニター本体にコントラストや彩度を調整する機能が搭載されているものは多い。そこにプラスして色覚異常のある人から見えるレイアウトをボタン一つでフィルターをかけて見えるようにすることによって、考慮したデザインを修正して作れるようになるのではないだろうか。また、色覚異常では色彩が異常をきたしたときに明度の差があまりないと同一の色に見えてしまうことが多いので、フィルターでコントラストの調整し、本体内で新しくデータを生成、または特定のデータだけフィルターを適用したまま再生できるようにすれば、手間なく色覚異常の人でも認識しやすいデータを流すことができる。

いくらユニバーサルカラーデザインを改善するためのソフトが出来ても認知されなければ意味がない。デジタルサイネージ本体に搭載することにより、ユニバーサルカラーデザインを意識する人たちが増えるきっかけにもなり、社会貢献にもなりそうである。