ホットクックに感じるもったいなさ

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ホットクックを購入した。シャープ製の自動調理鍋で、食材をカットしてセットしておけば、自動で調理をしてくれる。これがすこぶる便利だ。とくに気に入っている機能が、タイマー調理だ。食材をセットした直後に加熱して腐らない温度で保温するため、なんと最大15時間後の時刻に完成するように設定できる。そのため、朝に少し早起きしてセットしておけば、帰宅時に完成するように調理することもできる。食材のカットは自分でやらなければならないため、直接的な時短にはあまりならないのだが、朝食の準備を前日夜に、夕食の準備を朝に移動する調理のタイムシフトが可能になったことで、一日のスケジュールを組む自由度が大幅に高まる。

朝に出かけるまえに食材をカットして鍋に入れて、予約をしておけば、
帰宅時に調理が完了する。楽だ。

ただ、便利に慣れるとさらに便利がほしくなるのが人の性である。先に書いたように、食材を調達したり、カットしたりする時間は残るのだが、これをさらに削減できないものかと思うのである。そのようなニーズに応えるためか、シャープは、同社のオンラインストアのココロストア内で、ホットクックにセットするだけの食材セット「ヘルシオデリ」を販売している。サービスを開始した2017年は、一品あたり3,800円あたりでプロの味を再現する「シェフコース」だけだったが、2018年からは1,380円からの手軽に使える「デイリーコース」を開始している。

ここで惜しいと思うのが、このヘルシオデリは、ワンタイムのサービスである点だ。ほしいものを注文すれば、それが送られてくる。しかし、都度に注文が必要になる。なぜサブスクリプションモデルにして定期宅配を行わないのだろうか。ホットクックを「時短ツール」として活用しているユーザーから見れば、栄養バランスも考慮して1か月のレシピを作って、必要の食材を定期宅配してくれるサービスがあれば、かなりの割合で活用すると思うのだが。メーカー側から見ても、メリットが大きい。流通業者が購買者データを押さえ、それに基づいたマーケティングを展開している一方、メーカーはユーザーが自社製品をどのように使っているのかを把握することに四苦八苦している。もしそのようなサービスを提供できれば、ユーザーがどのような料理を作っているのかを細やかに把握できるようになる。さらなる製品やサービス開発を行ううえで、価値あるデータになるはずだ。

いまの手軽に使えるとされる「デイリーコース」も、一番安い「細切りポテトとにんにくの芽のスタミナ炒め」(3人前)でも1,580円だ。しかも、送料が900円もかかため、1人あたり800円を超える。これをデイリーで使える世帯は、はじめから外食や中食を活用するだろう。ユーザーとサービスに乖離があると思うのだが……。

手軽に使えるとされる「デイリーコース」も、一番安い「細切りポテトとにんにくの芽のスタミナ炒め」(3人前)でも1,580円だ。しかも、送料が900円もかかため、1人あたり800円を超える。これをデイリーで使える世帯は、はじめから外食や中食を活用するだろう。ユーザーとサービスに乖離があると思うのだが……。

「モノ売りからコト売りへ」と言われるなか、ホットクックは、かなりいいポジションにいるにも関わらず、とても惜しいところで留まっているように思えるのだが、いかがだろう。