JINSのLINE@の活用アイデアが秀逸な理由。

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オンラインとオフラインのマーケティングを統合する試みが日本でも進んでいる。テクノロジーの進化によって、デジタルマーケティングが当たり前になってきた。ユーザーデータが以前よりはるかにとりやすくなり、それを活用する動きが活発化している。

顧客はオンラインとオフラインを区別しなくなり、彼らの動きをつかまえた企業が確実に売り上げを伸ばしている。オンライン・オフラインの両方で、同じ顧客との接触機会を増やすことで、商品やサービスの購入頻度を高めることが可能だ。Beaconを使えば、顧客の位置情報をマーケティングに活用でき、売り上げアップをはかれるようになってきた。

筆者もご多聞にもれず、オンライン・オフラインの両方から情報収集し、買い物をする機会が増えている。特に最近LINE@を使う頻度が高まっている。先日もメガネのJINSを友達に登録した。サングラスやメガネをJINSで買うことが多いので、お得な情報を入手しようと考えたからだ。(LINE ID:@jinspr)

このJINSのLINE@からは定期的に割引のクーポンが送られてくる。これは店舗限定のサービスで、オンラインショップや楽天市場では使えない。メインメニューにはメガネをさがすや店舗検索や自分の購入情報を確認できるマイページ機能がある。

LINE@からは「待ち時間を確認する」こともできる。メガネ作製の際の視力測定の待ち時間は誰もが嫌なモノだ。土日などの繁忙期は待ち時間が長引くことが多いのが実情だ。この待ち時間の苦痛をJINSは減らすことで、カスタマーエクスペリエンスを高めている。店頭で順番待ちの受付表をLINEに連携すると、LINEに通知が来るので店舗にいる必要がなくなり、待ち時間を有効活用できる。

人工知能によるメガネのレコメンドサービス「JINS BRAIN」で事前に似合うメガネを確認することも可能だ。買い物前に商品を特定することで、買い物時間も短縮できるし、似合わないメガネを買わずにすむ。また、「マイページ」を使うとJINSアプリのアカウントとの同期によって、前回購入時の度数情報をチェックできる。私は度数情報の共有によって、面倒な視力検査を省いて、購入時間を短縮している。LINE@を通じて、顧客の買い物のハードルを徹底的に下げる努力をJINSは行っている。

このLINE@は店頭でも力を発揮する。LINE Beaconを活用し、顧客の購入を後押ししているのだ。LINE Beaconは顧客の位置情報を把握することで、適切なタイミングにお得情報を提供することが可能だ。先日、私が近所のJINSに入店した際に、クーポンスロットというゲームを配信してくれた。店に買い物に行った顧客を確実に取り込むために、リアルタイムでクーポンを配布するのはありだと思う。有効期限も1週間ほどあり、他のブランドの商品もチェックし、比較検討後にあらためて購入できるのもうれしい。

売り上げを上げるためには、客単価と顧客の増加が欠かせない。そのために、新規顧客の獲得、顧客のチャーン防止、リピーターの獲得、客単価のアップなどの施策が必要になる。しかし、多くの企業は新規顧客の獲得を優先し、既存顧客を大事にしない傾向がある。既存顧客の購入頻度を高め、ロイヤル化させることもマーケターの重要な仕事だ。

今回のJINSの取り組みは、来店した既存顧客やファンを取り込むように設計されている。JINSのメガネはリーゾナブルな価格なので、購入のハードルも低い。既存顧客をロイヤルカスタマー化させ、リピート率を高める今回の施策はこの面からも評価できる。

メガネを探すときにJINSのLINE@を使うことで、確実に時短ができる。同社はデジタルマーケティングを重視しているが、それをLINEと連携することで、ワンストップでJINSの情報をチェックしたり、メガネを擬似体験できるようになった。スマホの中のショップでJINSへの接触機会を増やすと同時に、店頭でもクーポンを配るJINSのアイデアは秀逸で、多くの企業も真似できるはずだ。

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