ポケモンだーいすき!AR技術 進化の鍵は愛着性にあり

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大型連休も中盤、皆様いかがお過ごしだろうか。高速道路に乗っての長距離移動をされる方も少なくない事と思う。

東名高速道路の足柄サービスエリアで、ポケットモンスターのデジタルサイネージ自販機を発見した。これは2018年にサービスが開始された「ポケモンスタンド」で、全国各地にあるポケットモンスターグッズ専門店・ポケモンセンターにて取り扱っているオリジナルグッズを自販機で買えるという自販機だ。これはブイシンクが出している高機能IoT自販機・スマートベンダーをポケモン用に使用したものだ。

筐体にはディスプレイが3面がついており、上部の二つは単純に動画を流し、下のタッチパネル式サイネージで商品を選び、注文を確定するというものだ。多言語対応は日英中韓の4言語に対応していて、商品をタップしてから言語切り替えをしてもきちんと対応してくれる。気になる取り扱い商品はポケモンのぬいぐるみやタオルなどで、長旅に飽きてしまった子どもたちの気分転換になるようなグッズが魅力だ。さすがはポケモン、大きさもあいまってその存在感はピカイチ。ポケモンGOや最新のポケモンシリーズでも出てくる3Dモデリングのピカチュウが「ピカチュウ!」とこちらに手を振っていて、子供達がすれ違いながら皆「ピカチュウだ!」と声を上げている姿がとても微笑ましい。

スマートベンダーにはカメラが付いているので、機能としてはAR を使ったコンテンツも可能だ。このポケモンスタンドにはAR機能は搭載されていないようなのだが、ポケモンGOで使用されているモデリングのポケモンと記念撮影ができるだけでも楽しいのにな、と車中でぼんやりと思いを馳せる。

ポケモンGOのAR機能は、ポケモン世代の筆者にとって画期的な経験だった。ポケモンが発売されたのは筆者が10歳の時で、想像力たくましかった筆者は、現実にポケモンがいたらどんなに楽しいだろうとよく空想していた。ポケモンの舞台が現実に近いので、ゲームの中で人々と共存するポケモン達に愛着が湧いた。特にマンガの「ポケットモンスターSPECIAL」は、ポケモン達の表情も生き生きしていて、想像力が補うのに非常に重宝した。

そんな子ども時代を過ごした筆者にとって、ポケモンGOの、AR機能を使ってポケモンが現実に存在しているようになる、というのは、本当に衝撃的だった。いても立ってもいられずリリースと同時にインストールし、電車の中で起動し、座席にポケモンが出現したときの感動といったらなかった。主人公のように、街を探検してポケモンを捕まえるという体験も、幼少に返ったような気になり、本当に楽しく遊んだ。

たとえデータでも、人は愛着を持てる。NHKで放送されたアニメ「電脳コイル」も、子どもたちは電脳世界に夢中になり、電脳世界でしか生きられないペットを本当のペットのように可愛がり、死には涙する。以前も紹介したDOCOMO Open House 2018では、スマホ越しに見えている3Dモデリングの世界を同期し、多人数でもスマホ越しに同じ世界を見られるという技術が登場し、電脳コイルの世界観のようだった。たまごっちやデジモンだってデータだが、人々は愛着を持って育てていた。育成が1番のキーワードかもしれないが、たとえデータでも人はそこにいるかのような感情をもつ。

ポケモンGOを開発しているNiantecが2018年6月に公開した、ARを使った新技術の動画。ポケモンが、人や障害物を避けて動いている様が写っている。

現実の目には見えない。でも、確かにそこにいるような存在感。ポケモンGOでも、新機能で好きなポケモンをARで撮影できるモードが追加された。先のスマートベンダーのようなカメラ付きサイネージで、道行く人とポケモンが共存している画面が映し出されたら、足を止めてみてしまうだろう。通行人を避けて走るピカチュウや、頭に止まる鳥ポケモンのポッポなどが居たら…と思うと、子どもの頃の自分のワクワクを思い出す。大きなポケモンもいるから、スマートベンダーの画面じゃ小さいな、渋谷駅地下の大型サイネージでやられたらとんでもなく楽しいな、と空想してしまう。

進むAR技術と、キャラクターへの愛着性。たとえ存在していなくても、存在してると錯覚できるのであれば、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。とりわけポケモンに愛着のある世代は、一際そう思ってしまうのである。