Lazadaが主導するベトナムのEC事情

IoT /

先日、ベトナムホーチミンを訪問したが、その際、現地の証券会社のRONG VIET証券を見学した。現地はまさに経済成長のさなかで、証券会社にも活気があり、社員も生き生きとしていたのが印象的だった。2018年のベトナムの実質GDP成長率は7.1%となり、この10年間でのベトナムの経済成長率は平均6%を超えた。

お隣中国の成長には及ばないが、確実にベトナムは豊かになっている。人口も9,600万人を超え、ASEANではインドネシア、フィリピンに次ぐ人口を誇る。2026年には人口が1億人を超え、2040年頃には日本と同規模の国になると予想されている。今後しばらくは人口ボーナス期が続き、ベトナム経済は順調に推移するはずだ。

前述の証券会社の担当者は今後ベトナムでオンラインショッピングが爆発的に成長すると指摘した。ちょうど今から15、6年前の日本の状況に近く、多くのサイトが若者から支持されているとのことだ。

その中で人気になっているのが、TikiShopeeLazadaの三強だ。Tikiは電化製品、スマホ、ファッション、ベビー用品など多岐にわたる商品をラインナップしている。ShopeeはP2Pのサイトでベトナム版のメルカリだと考えればよい。スマホからのアクセスが多く、若い女性から支持され、急激に成長している。このShopeeはシンガポールのSeaグループが運営するECサイトで、Seaはニューヨークでも上場している。Seaグループにはテンセントが出資し、現在東南アジア6カ国と台湾でビジネスを展開している。このShopeeは化粧品とファッションが中心アイテムになっている。

そして、東南アジアでシェアを高めているLazadaだ。Lazadaは東南アジアのアマゾンと言えるかもしれない。現在、ASEAN6ヶ国へ展開し、急成長を続けていいる。2016年にはアリババがLazadaに10億円出資し、話題になっている。(ここ東南アジアでもテンセントとアリババが熾烈な争いを繰り広げている。)RONG VIET証券もまだまだどこが勝利するかはわからないとは言っていたが、担当者はLazadaをもっとも評価していた。私が現地ホーチミンの若者に質問しても、Lazadaのユーザーが多かった。

アリババは東南アジアでのオンラインショッピングの発展を加速させ、Lazadaにアリババのエコシステムを導入しようとしている。Lazadaのサイト内にはアリババの「タオバオ」のページがあり、アリババの商品をベトナム人に販売している。

オンラインに不慣れなベトナム人は、現金代引きを選択することが多いと言う。模倣品や粗悪な商品が流通しているので、代引きを使っているようだ。当然返品も多くなりがちだが、Lazadaは郵便局と契約して、顧客への返品と現金払い戻しを行っている。良質な商品、きめ細かい対応、サイトの使い勝手をよくするなどベトナム人の要望にしっかりと対応することがEC事業者に求められている。

シンガポールのような都市ではamazonも強みを発揮できるが、中国や発展する東南アジアでは、現地の事情を理解しているLazadaが勝利しそうだ。先日、amazonは中国でのサービスを終了すると発表したが、中国と東南アジアではアリババが覇権を握りそうだ。あのUberもGrabに敗北したが、現地の実情に不慣れなアメリカのベンチャー企業が東南アジアで勝つのはなかなか難しそうだ。