ウルトラストレッチディスプレイという映像キャンバス

Digital Signage /

超縦長のキャンバスを利用したデジタルサイネージ案件を進めている。解像度は横600ピクセル、縦3840ピクセル。縦横比で言うと9:58である。再生システム的には4Kを扱うのと同等のスペックが必要であるが、いまどきポスプロコストも再生マシンコストもほとんど気にならない金額レベルに落ち着いている。

大きさで言うと2158mm X 348mmで、身長よりもかなり高い。製品としてはLGのものだが、筆者は展示会以外の場所で現物を見たのは銀座のマロニエゲートだけである。

今回このディスプレイを鉄道駅構内に7から9箇所に設置する検討を進めている。利用用途からコンテンツ内容もすべて含めて検討中の事項なので、まだ詳細は書けないのだが、とにかく表現するキャンバスとしてあまりにも縦に長いので、いったいどういう情報をどういう演出を施すのがいいのかのテストを繰り返している。

アイキャッチ写真の着物姿の女性。人物は完全に等身大で表現できる。ただし横幅は人物を表示するともう何も表示する幅は残っていない。

上下を何区画かに分けて情報を出すというのも定番っぽいレイアウトになる。

あくまでも表現手法のテストだが、動画にするとまたいろいろなことが見えてくる。案外いいのは、横幅が足りないことは決して悪い事ではないということだ。隙間からのぞき見をしているような感覚で、無意識に見えていない部分を頭が補足し、想像しようとする。

上下方向の距離を効果的に使うこと、左右方向の狭さも逆手に取れること。他にもいろんな事に気づきがある。DSEは海外の展示会での事例もビデオに収めてきているのでそれらもとても参考になる。

本案件は、企画から完全に自主企画なので、そもそも何を流すのか、どこに設置するのか、どういう演出をするのか、すべてがフリーハンドだ。もちろんビジネスとして成立させるのは当然のことであるが、一般的な広告媒体としてはここ以外にない画角なので、他の広告素材の流用はできない。完全のここだけのための素材が必要になる。こういうデジタルサイネージのすべての事項をゼロから自由に考えれれる案件はエキサイティングであると同時にとてもチャレンジング(必ずしもいい意味ではない)なのである。

ほんの何年か前のこと、縦型設置というデジタルサイネージのキャンバスが登場したときに、最初の頃は真ん中に無理やり16:9の映像を入れて、上下空いた部分は背景そのままかロゴだけ入れる、のような状況からこのラブプラス&ホールズの事例で「縦」を初めて克服したのだと思う。同じことをいま試されているのだと思う。