https://www.pexels.com/ja-jp/photo/415823/

骨折してわかった。電子マネーは最強のバリアフリーだ。

IoT /

左腕を骨折した。筆者は右利きなので、左腕が使えずとも右手で文字も書けるし、つり革もつかめるし、お箸を使ってご飯も食べられるので、そこまで不便を感じることはない。ペットボトルの蓋を開けられない、やお皿が洗えないなど多少はあるが、有り難いことに周りの助けや工夫次第でなんとかなっている。

だがその中で、どうしてもできない事があった。 財布が開けられない。 どう頑張っても、財布が開けられない。大体の財布は両手で開けることを前提に作られており、片方の手で押さえてファスナーやがま口を開けたりするのが一般的だと思われる。実際にやってみるとおわかり頂けると思うが、小銭もお札も取り出すのに苦労するはずだ。そんな時に一番便利だったのが、FeliCa形式の電子マネー、おサイフケータイである。

改めていう程のことでもないのだが、おサイフケータイの利点は片手で使えることにある。片手が塞がっていようと、スマートフォンが持てて、レジでiDや Edy やSuicaでと言えさえすればすぐさまそこで決済が完了する。これの何と便利なことか!クレジットカード決済でも良いのではないかという声もあるかもしれないが、残念なことに私の財布は年頃の女性らしく様々なカード類でパンパンになっており、片手ではカードが出せないような状態になってしまっている。そうすると片手でクレジットカードを出すのは至難の業で、もはや片手で鞄から財布を出すことすら億劫だ。ポケットに入っているスマートフォンで決済が完了するのであれば、それを使わない手はない。腕を骨折している時の一番のバリアフリーは、おサイフケータイだったのである。

同じスマートフォンなら、QRコード決済はどうか。筆者のスマートフォンにも、PayPayや d払い のアプリが入っている。だが、今回これらアプリを積極的に使うことはなかった。レジで並びながら、スマートフォンの画面を開きアプリを探し、支払いボタンを押し…などの操作が、片手だと非常に煩わしい。再ログインが必要になると目も当てられない。私の小さな手では5.2inchのXperia XZ1を片手で操作するには少々指の長さが足りないため、そもそも片手入力自体がやや不便なのである。そうなってくると、支払い方法を伝え、タッチするだけで決済が完了するおサイフケータイに軍配が上がり、QRコード決済を使う理由が見当たらなくなる。おサイフケータイの圧勝である。そして私の財布は身分証明書入れと化した。

QRコード決済に勝ち目は無いのか。実は筆者は怪我をする前から色々な電子マネーを使っていた。iD、 Edy、Suica、モバイルSuica、nanaco。これらが使えるお店であればポイント還元率を考えて使い分けをしている。

簡単なことで、お得であり使える環境があれば人は勝手に利用する。PayPay祭りが祭りになったのも、単純にお得で、使える店がそれなりにあったからという理由に他ならない。だがその時に「便利」がついてこなければ、普及への道は遠い。

筆者が電子マネーを使う理由も、支払いがとんでもなく楽だからという理由の他に、ポイントが還元される点が大きい。現金で支払うだけでは得られなかったポイントが、電子マネー使用時やそれに付随するクレジットカードの決済時に付与される事が多い。

QRコード決済とFeliCa形式の電子マネーとを単純に比較した場合、ことSuicaが普及しガラケー時代からFeliCaが搭載されている日本においては、便利さで後者が圧倒的に有利だ。ポイント還元率が同じなら、例えば「スマートフォンの画面を付けただけで今居るお店で使えるQRコード決済画面が勝手に立ち上がる」、というようなシステムでもない限り、QRコード決済は端末にかざすだけのFeliCaには勝ち目は無いように思う。ポイント還元や何かしらのエサがあり、それがFeliCa形式の電子マネーを上回った時でない限り、積極的には使わないだろう、日本にいる限りは。実際に、iD支払いよりd払い支払いのポイントが大量につくときはd払いを使用した。とってもケチくさい話であるが、「お得さ」が利用意欲に繋がるのは否めない。

様々な会社が参入するQRコード決済。皆が常に腕を骨折しているわけではない日本で、果たしてこれからどうなっていくのか。。。