エッジAIは単機能化してサブスクリプションモデルに向かう

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エッジAIと言えば、世の中のデモは、コンピュータビジョンで人を認識(人物の特定ではなく人をカウントするモデルがほとんど)するか、車を認識する、といったものが大半である。これはあるモノを判別できるデモを見せられても大半の人は何が凄いのかがわからない、伝わらない、ということや、ビジネスモデル的に想像がつきにくいからだと思う。仮に様々な動物から、“牛”だけきちんと判別できます、というデモを見せられても、“あっ、自分の会社で使える!”、と直感する人はほとんどいないだろう。この時に、“イノシシ”や“サル”を判別できる、と謳い、かつ農業向け展示会みたいなところでデモすれば、害獣検出、退治に利用できる、と悩みを抱えている農家の人なら直感するだろう。

エッジAIに限ったことではないが、AI(機械学習)のソリューションはひらたく言えば“表集計算アプリケーション”を開いて、わかりやすい縦横計算のデモを見せているようなもので、そのアプリケーションが何を解決できるのか、を具体的に提示しているわけではない。ここが現場(困っている人たち)と“押売り”している側のギャップなのだ。(だから、このGASKETが少しでもそのギャップを埋めましょう、というコンセプトなんですが)
確かにオープンソースや学習データのオープン化でAIの民主化は猛スピードで進んでいるが、一般の人が利用イメージを明確にできるにはまだ少し時間がかかるだろう。

ということは、かなり近い将来、目的を完全に絞り込んだ最小機能でかつ、“何をするもの、何を解決するもの”、と一言で言い切れるソリューションが次々とリリースされていくのではないだろうか。当然、クラウドドライブではなくエッジドライブAIとなる。例えば、小さなWEBカメラみたいなカタチをしていて人気飲食店の前に設置するだけで、平均の待ち時間が表示されます。とか、飲食店のHPに予想待ち時間が自動的に表示されます。こんな商品、サービスのイメージだ。

エッジAIカメラ、という汎用目的のカメラも一部発売され始めているが、“AIアプリケーションは自分で入れてね。動くCPUは積んでるから”、というスタンスである。これでは先述の表集計算の例とたいして変わらない。

ハードウェアが簡単、単純機能になると、引きずられるように出てくると思われるビジネスモデルが、サブスクリプションモデルだろう。初期投資はわずかで、たとえばサーバにデータを送った回数とか、害獣の例ならば検出した“イノシシ”の数で課金なんてモデルも現れるかも知れない。
いずれにせよ、現場が欲しいのは困ったことの解決方法とリーズナブルな価格である。現場に精通した人の悩みとエッジAIのテクノロジーが出会えば、まったく新しい単機能AIの商品、サービス普及が進むのかも知れない。

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