amazonの AIの予測精度が上がると買い物体験はどう変わる?

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amazonで買い物をしない日がないくらい、筆者の生活はamazonに依存している。amazonは顧客データを分析し、顧客に日々買い物の提案をしてくる。amazonのサイトを訪れ、買い物をするたびに、次に買いそうな商品がレコメンドされ、時に顧客はそのお薦め商品を買ってしまうのだ。

同社は現在、「ショッピング・ゼン・シッピング」というビジネスモデルを採用している。私たちが商品を購入したら、実際商品を発送するもので、レコメンドエンジン(AI)が、同時に買いそうな商品を予測し私たちに提示する。

しかし、まだまだこのレコメンドエンジンの予測レベルは低く、この精度を上げるためにamazonは様々な取り組みを行っている。今後、顧客データを使って予測を改善できれば、AIの精度はある時点で閾値を超えるはずだ。

amazonは2013年「予測発送」の特許(anticipatory shipping)をアメリカで取得し、システム開発を進めている。彼らは私たちが商品をクリックする前に、買い物する商品を予測し、私たちの家まで届けようとしているのだ。現状の「ショッピング・ゼン・シッピング」モデルから「シッピング・ゼン・ショッピング」モデルへビジネスモデルをシフトすることで、amazonは多くの顧客の買い物体験を変えてしまうだろう。

amazonは出荷前に顧客の購入商品を見極め、デリバリー経路を決定する。AIが購入パターン、年齢や住所などのでデータ、アクセス頻度、欲しい物リスト、商品の保管場所などを分析し、的確に商品を提示できるようになる。

amazonはTreasure Truckというサービスをアメリカでスタートしている。このトラックは居場所と積んでいる「お宝(お買い得なバーゲン商品)」をテキスト・メッセージで顧客に送る。顧客はスマートフォンから商品を注文可能だ。運行ルートをチェックし、ピックアップ場所を決め、商品を購入する。このデータも今後、予測発送に活用されるのだろう。

AIの精度が低いという課題を克服できれば、amazonは今以上に強力な存在になるはずだ。欲しくもない商品が大量に届けられてしまうというリスクを減らすために、amazonは返品の仕組みを生み出すだろうと、アジェイ・アグラワルらは予測マシンの世紀: AIが駆動する新たな経済の中で述べている。配達用のトラックだけでなく、返品用のトラックを用意し、不要な商品をピックアップするシステムを構築できれば、amazonは顧客を虜にするはずだ。

この「シッピング・ゼン・ショッピング」が成功するためには、AIの予測精度を高める必要がある。返品を回収して処理するコストが下がれば、amazonはこのモデルで顧客の買い物時間を劇的に減らしてしまうだろう。買い物の煩わしさから解放されれば、顧客はamazonでの買い物を増やし、他の選択肢を減らすはずだ。

アジェイ・アグラワルら著者たちは、AIの予測精度を上げることがamazonにとって重要だと指摘する。

アマゾンのビジネスモデルが「ショッピング・ゼン・シッピング」から「シッピング・ゼン・ショッピング」に移行すれば、(トラックの準備など)返品サービスを行なうための垂直統合一企業が商品の開発から生産、販売までを自社で一手に行なうことへの誘因が働き、投資のタイミングが早まる。すべては、予測マシンの精度を上げるだけで実現するのだ。

このサービスを他社に先駆け、スタートできれば、amazonのAIはたくさんのデータを集められる。データが多く集まり、予測が改善されれば、多くの買い物客がamazonに集まるようになり、その結果、AIの精度が上がり、amazonは独り勝ちできるのだ。

参考書籍 予測マシンの世紀: AIが駆動する新たな経済(アジェイ・アグラワル, ジョシュア・ガンズ, アヴィ・ゴールドファーブ)

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