【DSE2019】Vol.01 クアルコムがDSEに初参戦「2,3年後にはすべてのサイネージ端末が5Gに接続する」

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クアルコムがDSE(Digital Signage EXPO 2019)に初めて参加した。オープンスペースで行われるフリーのセミナーでは「The Future of Digital Signage Built on Smartphone」と題して、クアルコムテクノロジーズのリテールIoTのディレクター、Ketal Gandhi氏が講演を行った。

クアルコムテクノロジーズのリテールIoTのディレクター、Ketal Gandhi氏

講演内容は、現状のLTEネットワークから5Gに移行することによるメリットや変化について語るというもの。これ自体は特に目新しい話というわけではない。

しかし、DSE全体では、5Gを意識した展示を行っている会社は他には一社もない。それ以前の問題として、昨年までもそうだが、DSEにおけるデジタルサイネージは広告、販促、ホスピタリティー、トラフィック、ビジネスバックヤードが中心であり、IoTやAIというキーワードは決して多くない。この傾向はあまり変わっておらず、IoTやAIは完全にCESがその中心になっているからだ。筆者はCESとDSEを両方10年以上に渡って定点観測しているが、昨年あたりからこの傾向が非常に強くなっている。

さてそのクアルコムだが、デジタルサイネージとの接点は5Gネットワークだけではない。昨年末にThundercomm社から発表された 「TurboX AI Kit」を実際に稼働させていた。これはクアルコムのSnapdragon845プロセッサーを内蔵したAI解析用のオールインワンのエッジ端末である。800万画素カメラ、マイク、スピーカー、4K対応Micro HDMI端子、USB Type-C端子、USB 3.0端子、microSDカードスロット、有線LAN端子などを装備している。WiFiは802.11a/b/g/n/acに対応。8GBのRAM、64GBのストレージを搭載しており、OSはAndroidとLinuxがサポートされている。またクアルコムのSnapdragon Neural Processing Engine(SNPE)やThundercommのAIアルゴリズムライブラリ、ビジュアル開発環境の「AI Studio」がバンドルされ、これ単体でAI解析が行えるようになっている。

残念ながらこの端末のことを知るデジタルサイネージ関係者は多くなく、また前述の講演でも自社ブースで展示をしていることも、そもそもTurboX AI Kitのこと自体に言及をしていなかった。

Thundercommの「TurboX AI Kit」

筆者は偶然日本の某所でこの実機を見ており、その時は単純に見ただけであるが、中に同梱されていた説明書はこちらだ。

Snapdragon 845はサムスンのGalaxyS9やGoogleのPixel 3などに搭載されている。スマホではカメラやARの画像処理において強力なパワーを発揮するのだが、そのチップを例えはリテールで活用すればデジタルサイネージの利用シーンが大きく拡大するというのがクアルコムの考えである。見た目はスマートフォンではないが、スマートフォンでデジタルサイネージができるということになる。

特に画像処理についてはスマートフォンが最も進んでいる領域なので、クアルコムとしてもデジタルサイネージ市場を重視していく考えであるようだ。

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