プライムツリーとららぽーと、名古屋で競合するショッピングモールがコラボして集客販促を実施する意義

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セブン&アイ系の「プライムツリー赤池」と、三井系の「ららぽーと名古屋みなとアクルス」の、名古屋市内で競合する2つのショッピングモールが、コラボレーションして共通で集客販促を実施している。

プライムツリー赤池は、名古屋市の東に隣接する日進市の赤池にあるセブン&アイ系列のショッピングモールで、2017年の11月にオープンしている。ららぽーと名古屋みなとアクルスは、名古屋市内港区に2018年の9月のオープンだ。これらの施設は15キロほど離れており、車で30分ほどかかる。15キロで30分ということは、商圏がまともに被ることはないが、一部重なりがあるのも事実だ。こうした絶妙な距離感と、基本的に競合関係にある異なる系列のショッピングモールが、販促イベントを共通で実施するというのはかなり異例なことだ。

イベントは「プライム・ららぽ FAMILY FESTIVAL」で、3月15日(金)から31日(日)まで開催される。さまざまなイベント企画が用意されており、同じ企画を日を変えて両方で開催していく。また片方にしか出店していない店舗が「出張」してイベントを行う「人気店舗お出かけ出張」という企画も用意されている。

中でもとりわけ強力な企画が、5000円以上の買い物をすると、相手方の施設で使える買い物券がもらえるというものだ。毎日各施設で200名、配布期間は3日間なので1200名、金額にして120万円の実弾による販促企画だ。各施設での発行数は同一ではあるが、競合への総客を相互でここまで直接的に行うというのは画期的である。

こうした背景には、2施設とも比較的新しい施設であるということで、市場開拓や認知が必要だという共通認識があるからだ。事実、折込チラシやWEBは共通のものが使われる。前述した15キロ30分という立地は、自動車文化である名古屋においてはほどよい距離感と言える。当然ながらそれぞれの施設で入居している店舗も異なるので、普段は近い方のモールをメインで使いながら、時々はあっちへも行ってみようか、ということは十分考えられる。またこの2系列ではない共通敵であるイオンへの対抗策という点も否めない。他にも理由があるのだがここでは差し控えておく。

更に興味深いことは、プライムツリー赤池からわずか4キロの場所に、2020年秋に「ららぽーと東郷」が開業するのだ。こうなるとプライムツリー赤池とららぽーと東郷は完全なる競合関係になる。ららぽーと東郷開業後にこうしたコラボ企画が果たしてどうなるのか。またショッピングモールを集客力のあるメディアだと位置づけるのであれば、こうしたコラボ企画を積極的にさらの別の企業とのコラボレーション企画にして提案するという可能性も出てくるかもしれない。

今回の試みの成果がどうなるのかにもよるだろうが、競争と共創が成立するか、いまから目が離せない名古屋のショッピングモールである。