2体のロボットによる掛け合い実演プロモーションはイマイチ残念な出来

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東京駅丸の内地下中央口を出たところにある商業施設、グランスタ丸の内にある「のもの グランスタ丸の内店」にて、ジェイアール東日本商事、鉄道会館、富士通の3社にて、ロボットによる実演商品プロモーションの有効性を検証する実証実験を、2019年3月1日から4月23日まで実施している。プレスリリースにある、2体のロボットが掛け合いをしながらの「実演」とはどのようなものか興味が湧いて見てきた。ただ、結論からいえば、残念なものであった。

2体のロボットが掛け合いをしながら、デジタルサイネージと一体となってプロモーションをする。ときどき、客に向かって問いかけを行い、回答に合わせて販促が展開されていく。

サイネージのうえにはカメラが設置されており、効果測定に使う。カメラの脇には、カメラ利用に関する告知のほか、音声入力したデータはテキストで保存されるため、個人を特定する情報は話さないようにとの注意書きが見られる。

 

筐体はそれなりの大きさなのだが、店頭に設置されると目立たない。

 

筆者が見ているあいだ、ロボピンは「おやつTIME」を宣伝していたが、手前の冷蔵庫に入っているのは「TOKYO海宝漬」だった。
筆者が見ているあいだ、ロボピンは「おやつTIME」を宣伝していたが、手前の冷蔵庫に入っているのは「TOKYO海宝漬」だった。ロボピンがいくつもの商品を紹介するため、どうしてもこのような不一致が発生する。

これで人が商品の存在を認知し、人通りが早いこの通りに面した箇所で1分近い寸劇をどれだけの人が見るのか、商品を購入する気になるのか、極めて疑問だ。ロボピンを開発した富士通によると、過去の実証実験では、ロボピンによってデジタルサイネージの視聴者数が約20倍になったとしているが、この数字には物珍しさに依存するところが大きいのではないか。ペッパー君があっても誰も寄らなくなったように、ロボピンが設置されてキコキコと動いている程度では、客側はすぐに慣れてしまい、この効果はなくなるだろう。

商品を並べた棚は華やかで目立つうえ、瞬時にメッセージが伝わる。

店頭販促では、聴衆全体に声がけしても効果は薄く、「そこのあなた」と指名するぐらいしなければ、自分ごととして受け止めてもらうことは難しい。せっかくカメラを使うのであれば、周囲の状況に合わえて台本を状況に合わせてダイナミックに変更して「そこのスーツのお兄さん、みていって」「キャリーを引っ張っているけど、おみやげをさがしているの?それだったら」ぐらい語りかけてはどうだろうか。

2年以上前の事例だが、下の動画は、モニター前にいる人の属性や表情をカメラで取り、画面のなかから声がけするサイネージだ。これぐらいして初めて、音声を使ったコミュニケーションが取れるのではないか。