コンセプト製品を体験できるシェアストアが表参道に期間限定でオープン

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量販店ではまだ取り扱われていないコンセプト製品やスタートアップの製品を紹介するポップアップストア「adpt」が、表参道にてオープンした。なかなかリアルでは見ることができない製品に触れ、体験できる。一部の商品は、adpt内で購入もできる。期間は、2月14日(木)から3月11日(月)まで。どのようなメーカーが参加しているかは、プレスリリースが参考になる。

未来の生活を体験できるストア「adpt(アダプト)」が214日より表参道に期間限定オープン

筆者は、adptを日曜日の午後に訪れたのだが、表参道の交差点からほど近い店舗内には多くの人が溢れており、様々なガジェットを楽しんでいた。

adptは、アパレルの店舗を一時的に借りて営業している。日曜日の表参道という好条件もあり、ひっきりなしにお客が入ってきていた。ガジェット好きのナードだけではなく、年配の方から、子連れまでさまざまな人々に認知を広げられるのが、オフラインストアの持つ魅力だ。

このadptを運営しているのは株式会社COUNTERWORKS。メーカーとロケーションオーナーをつないでポップアップストアの開設を支援している企業だ。今回は、主催がメーカーではなく同社で、そこに各メーカーが参画することで、複数メーカーの製品を体験できるスタイルとなっている。このような形でのショップ開設は同社では初の試みとなる。

スタートアップのメーカーにとっては、店舗を開設するのはコストがかかってハードルが高い。そこで同社は、ポップアップストアを複数メーカーでシェアすることで、生活者に商品を体験させる場を低コストで提供できるようにした。出展メーカーは自社スタッフを立たせることもできるが、基本的には店舗側のスタッフが接客を行い、オンラインストアへ誘導したり、来店者の反応を定性的なものも含めてレポートを受け取ることができる。販促効果を期待して出展しているメーカーもあれば、生活者の感想を聞きたいと市場調査のような位置付けで参加しているメーカーもあるようだ。

このような、まだ量産化されておらず、量販店で見られない商品を体験できる場を提供するオフラインストアの先駆けとして、アメリカの「b8ta」がある。商品売上からの収益ではなく、オフライン店舗のスペースを顧客接点の場としてメーカーに提供し、賃料を収益源としている。Amazonが台頭したころは、オンラインとオフラインの双方の店舗が客を奪い合う対立軸で語られることが多かったが、いまやオンラインストアは、その存在が前提となっている。そしてオフラインストアのライバルは、Google Adwordsなどの広告であり、それらとコンバージョンレートを競うようになってきている。メーカーに対してのb8taの売り文句は「Adwordsに出稿するよりも、同じコストでオフラインストアで商品を体験させたほうが、コンバージョンレートが高いですよ」というわけだ。以前にGASKETGU STYLE STUDIOを紹介したように、オフラインストアの役割は、購買から体験に変わりつつあることを改めて感じる。

では、adptは日本のb8taになれるのだろうか。正直なところ、今回のadptははじめての試みということもあってか、改善すべき点がとても多い。展示方法は商品の魅力を引き出しているとは言い難いし、スタッフから商品への愛情や、その良さを伝えようとする情熱を感じられなかった。Adwordのような広告とコストパフォーマンスを比較するには、定量的なデータが不可欠だが、店内のカメラを使った分析は法的な課題をクリアできなかったことで、今回は行えていない。メーカーには定性的なレポートを出すとしているが、何度となくスタッフと会話した筆者に対しても、質問に対して必要最小限の回答がもらえる程度で、十分なヒアリングはほとんど行われていなかったし、メモを取っている様子もなかった。あれで、価値あるレポーティングが可能なのか、極めて疑問だ。

しかし、年配の方から子どもまで、さまざまな人でごった返す店内を見ていると、それだけで表参道にオフラインストアを出す価値を感じられる。今回の企画は、それだけで成功と言えるのではないだろうか。同社では、丸の内など場所を変えて第二弾を検討しているとのことなので、そのときには諸々の改善がなされるだろう。体験型店舗のさらなる進化を期待したい。

商品の脇に置かれたiPadに、商品説明と購入できるサイトへ誘導するQRコードが表示されている。iPadを使った展示はデジタル家電のシェアリング店舗の先駆けであるアメリカの「b8ta」と同じ。後ろにウェブカメラが設置されている。映像を解析してマーケティングへの利活用を目指していたが、個人情報保護に関しての法的な問題をクリアできなかったため、今回は防犯だけに使っているそうだ。
サイネージ業界でちょっとした話題になったデジタルの窓「Atmoph Window」。しっかりと壁付けしたり、2つを並べることで、より「窓」らしさが出たと思うのだが。商品を魅力的に見せる工夫がほしい。