LIFT99からユニコーン企業が生まれるエストニア

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スカイプ(Skype)の開発は実はエストニアで行われた。現在、スカイプはマイクロソフトにMAされたが、それにより、エストニアのベンチャーは活気付いたという。MAにより資金を得た投資家たちが、スタートアップを応援し、多くのベンチャーがエストニアで生まれているのだ。

彼らは#ESTONIANMAFIA(エストニアンマフィアを形成し、エストニアのスタートアップを盛り上げる活動を行っている。ここエストニアでは、スタートアップをつなぐエコシステムがいくつも生まれているが、今回LIFT99というスタートアップのためのコミュニティを訪問してきた。

ソ連時代の工場関連の施設だったエリアの建物を改造し、スタートアップやクリエイーターのための施設が次々生まれている。LIFT99の内装はとてもおしゃれで、クリエイティブなスペースがいくつも用意されている。キッチンや様々なスペースがマッチングスペースになり、当日もメンバー同士の活発な議論が行われていたのが印象的だった。

このLIFT99から驚くべきことに、ユニコーン企業(評価額10億ドル以上の非上場、設立10年以内のベンチャー企業)が4社も生まれている!
Taxify(東欧版のUBER)
Playtech(オンラインのカジノゲーム)
TransferWise海外送金サービス)
Pipedrive(CRM)

プレゼンスペースの壁には”ESTONIANMAFIA WALL OF FAME”というボードが設けられている。エストニアの中で最も成功した企業の一覧をチェックできる。このボードに掲載されるためには、以下の3つの基準を満たさなければならない。
■年間成長率80%以上
■年間の収益が300万ドル または500万ドル以上の出資を受けている
■エストニア政府に10万€以上の税金を支払っている
ボードの星マークは実際にEXITに成功した起業で、大手企業にMAされたり、IPOを行った企業となっている。この成功者達がメンターとなり、次の成功者を LIFT99を通じて、育てている。

LIFT99ではエストニアのスタートアップを強化するために、様々な活動を行っている。彼らはエストニアにスタートアップを集積させ、テクノロジーで国家を発展させようとしているのだ。
1、2020年までにエストニア発のスタートアップを1000社にする
2、投資家とのマッチングを行い、資金調達をサポートする
3、スタートアップのための法整備を行う
4、投資家とスタートアップをつなぐエコシステムを機能させ、エストニアに起業家を集める

この結果、エストニアのスタートアップは増加を続け、投資も順調に集まっている。世界中の1200人以上がスタートアップビザを申請し、そのうちの40%が実際に起業をエストニアで行った。インド、パキスタン、イランからのビザの応募が多いそうだ。エストニアや隣国のトルコやロシアからの起業家が実際にビジネスをスタートしている。審査の基準はスケーラブル、技術力、イノベーティブであることの3点になっている。

エストニアはE-residencyという仕掛けを作ることで、世界中の起業家から注目されるようになっている。エストニア政府の電子プラットフォームを自国民だけでなく、外国人向けに開放したプログラムのE-residencyによって、イノベーションを起こせる国に生まれ変わっている。若いリーダー達はITを国家戦略とし、エストニアをシリコンバレーや深圳にような存在に変えているのだ。スカイプの創業者などの投資家、政治家などのリーダー、ユニコーンを目指す起業家がエストニアでWin-Winの関係を築き始めている。

そのコミュニティの一つがこのLIFT99なのだ。エストニアはIT立国をビジョンに掲げ、2020年までにスタートアップを1000社作ろうとしている。国家を強くするためにリーダー達が次々に行動を起こしている。経験豊富なエストニアンマイファ(成功者)がメンターとなり、スタートアップをサポートしている。ここでは、起業家同士や起業家と投資家のマッチングイベントなども数多く行われており、たくさんのスタートアップを誕生させようとしている。LIFT99の特徴は、多様性、熱量の高さ、そしてスピードだ。筆者も仕事柄多くの日本のスタートアップ施設を見てきたが、LIFT99のビジョンや活動の方がはるかに優れているように感じた。日本人起業家も日本という閉じた世界を飛び出して、エストニアを活動拠点の一つにしてもよいだろう。

最近では、E-residencyが注目され、日本人起業家もここを訪れるようになった。実際、日本人もこの2年で10人程度スタートアップビザを取得しているそうだ。E-residencyになった日本人も年々増加しているので、今後LIFT99から日本人がメンバーのユニーコン企業が生まれてくるかもしれない。

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