機密文書処理を無料にする「ゴミ箱サイネージ」が登場

Digital Signage /

また新しいデジタルサイネージのロケーションとメディアが登場した。企業においては機密文書のコストが課題だが、これをデジタルサイネージで無料化するというビジネスである。TAASが始めたe-Pod Digitalだ。

同社によると、「機密文書の処分は、コピー用紙1箱5000枚あたりシュレッダーで約7時間、一般の機密文書回収ボックスでは社員数約2,000名で年間432万円のコストが発生する」のだそうである。これをe-Pod Digitalでは機密文書処理コストを無料化し、処理を行う隙間時間を利用してデジタルサイネージで情報訴求ができるというものだ。

このサービスを行っているTAASは機密文書の融解処理サービスを行っており、これを無料化するためにデジタルサイネージを利用した広告媒体化を選択した。デジタルサイネージを行うための資金調達先としてFUNDINNOを利用して8,290万円を調達した。

このビジネスを考えてみる。
まず機密文書の処理とそのコストの問題だ。機密文書の処理は、昔とは違って普通ごみで処理はしにくにくい、できない状況である。コストに関しては前述の試算だとシュレッダーの場合にはコピー用紙一箱あたり7時間とあるが、それはコストを換算した場合の理論値であり積分値である。実際にかかる時間がそのまま機会損失になっているかは計測が難しいところだが説得力はある。デジタルサイネージビジネス的に見ると、デジタルサイネージの多くはB2BまたはB2B2Cビジネスである。企業のニーズの中ではコストセーブは確かに強いだろう。そのコストを処理・捻出するためにデジタルサイネージを利用するということだが、ここに収入源として広告を持ってくる。ここで考えることは、デジタルサイネージが有効なのか、広告という収入が最適かどうか、最適であることが見込まれる場合に広告が集められるかどうかだ。広告的には当然だが媒体価値を認められるのかどうかということになる。

媒体価値の向上のためには数が必要なのか、ターゲティングなのか、あるいはAIやIoTを活用すればいいのか。e-Pod Digitalはベンチマークするべきがポイントが多く、応用問題も数多く存在する可能性がある。シュレッダーにはないので7時間以下の時間しか発生しないので媒体価値はどうなのか、というツッコミはあれど、いずれにせよはじめにデジタルサイネージありきではない、課題解決にやや複雑な構造を持ちながらもデジタルサイネージが利用できるのか、ということが試される案件である。