ChargeSPOTのデジタルサイネージビジネス的考察

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ChargeSPOTにはモバイルバッテリーのシェアリングに加えて、デジタルサイネージの機能も併せ持っている。デジタルサイネージ的にこれはどういう特徴があるのか考えてみる。

まず、シェアリングとレンタルの違いはなんだろうか。明確な定義があるのははっきりせずかなり曖昧だが、本来はレンタルは業者から借りるのに対して、シェアリングは個人間の取引ということだと思われる。貸し出される物の所有権が、レンタルの場合はレンタル事業者だが、シェアリングの場合は個人ということだ。ChrgeSPOTはシェアリングと言っているが、事実上はレンタルサービスといえる。もちろんこれらの言葉の違いはあまり意味のある話ではない。シェアリングと言ったほうが今風であるくらいのことだろうし、本稿はここを深掘りするものではない。

ここからデジタルサイネージの話に戻る。デジタルサイネージは設置場所を提供するロケーションオーナーと、メディアを運用するメディアオーナーの2つの役割がある。この2つが同一である場合と、異なる場合がある。そしてロケーションオーナーが自分の所有する場所で、単純に場所だけを提供して他者のためにデジタルサイネージを行うこともあるが、自分のためにデジタルサイネージを行う場合は、通常はシステム導入費、運用費を両方を自分で負担することになる。ところがChargeSPOTではこの費用を負担する必要がない。

ChargeSPOTは基本的にはモバイルバッテリーのシェアリングサービスであり、モバイルバッテリーを時間貸しするシステムだ。ロケーションオーナーは、ChargeSPOTを設置する場所を提供する見返りとして、搭載されているデジタルサイネージディスプレイで広告や販促などの情報を掲示することができる。バッテリーレンタルのビジネス部分にロケーションオーナーは原則関与すること無く、レンタルサービスの売上や売上のマージンを受け取ることはない。その代りに、デジタルサイネージで自分の広告や販促目的でデジタルサイネージを無償で利用することができる。ただし電気代はロケーションオーナーが原則として負担しているようだ。デジタルサイネージの時間的な配分は、ロケーションオーナーが2に対してChargeSPOTが1の2:1の比率だ。ChargeSPOT枠には、ここがモバイルレンタルサービスであることを示すコンテンツが表示され、ロケーションオーナー枠は自社で自由に利用できる。

類似のデジタルサイネージの例としては、病院や学校などで、デジタルサイネージの設置に関わる費用負担をすること無くロケーションオーナーのコンテンツを表示できるサービスがある。これらはメディアオーナーがビジネスとして広告を集稿しているので、100%ロケーションオーナーのコンテンツを表示することはできない。ロケーションオーナーとは無関係の企業の広告が表示され、ロケーションオーナーのコンテンツは全体に10%程度であることが多い。

このビジネスが成立するかどうかは、バッテリーシェアリング事業が成立することが条件となる。これが成立する条件は筆者には今ひとつピンとこないが、まずはここが成立しないと話が始まらない。ChargeSPOT自体の拡販に関しては、ネット上のサイドビジネスサイトに掲載されている例もある。これによるとChargeSPOTの設置見込み顧客の紹介で2000円から5000円の報酬が得られるようだ。

モバイルバッテリーが集客に貢献し、デジタルサイネージが集客に貢献できるのであれば、ロケーションオーナーにとっては完璧である。ChargeSPOTはいま続々と導入設置が進んでいるようである。デジタルサイネージ業界的にはいろいろな意味でこのビジネスモデルに注目をしていく必要があると思う。

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