後ろ向きIP監視カメラが、前向きマーケティングツールに変貌を遂げる

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カメラを館内や屋外に設置するという場合、ほとんどの目的は犯罪などの“抑止効果”、としての録画か(この場合、不幸にも事件があった場合のエビデンスという目的も含まれることになる)、遠隔地の状況を何かしら監視する目的、例えば、防災、減災などの目的で河川の水位をチェックする、などだろう。道路の渋滞状況などもこれに含まれるかも知れない。
もちろん、録画した画像などを解析して、たとえばショッピングセンターの入場者数をカウントしたり、人の動き、つまり導線、動線解析などを行い、マーケティング的なデータとして利用されている例もある。

さて、昨今、機械学習(AI)によるコンピュータビジョンがまさに黎明期であり、あらゆるものをコンピュータビジョンで捉え、マーケティングから監視系まで幅広く応用しようというトレンドは単なるバズワードではなく、ますます広がっていくことは間違いない。

この時に、アナログの映像信号を送出するカメラと、デジタル的にストリーミング的に配信できるIPカメラでは大きな差が出ることになる。例えば、監視目的で、ダラダラと垂れ流しの映像を期間ループで録画している設備があったとする。コンビニなどの監視カメラをイメージしてもらえればいい。この映像情報を既存システムに手を加えずに(影響を与えずに)“横取り”して、例えば、性別、年齢、ある行動などを解析、ロギングできるシステムを追加したいニーズがあった場合、アナログカメラだと、映像信号を分配して、別なシステムに伝送し、もちろんアナログ伝送は距離的な制限なども多いから、システムの設置場所などの条件も発生する、等々、かなりややこしく、ほぼ困難になってしまう。これがIPカメラだとその映像ストリーミングを別な場所でも取得することができるし、なにせ物理的な工事などがほとんど発生しない。

A ceiling-mounted security camera inside a JR East E233-7000 series Saikyo Line EMU (car number E232-7001)

“何を当たり前のことを言ってるのだ?”、思われるかも知れないが、ちょっと待って欲しい。
何を言いたいかと言うと、まったく違う目的で設置されていたIPカメラが、エッジAIなどの革新的な技術を使うことにより、他のビジネス目的でも流用できることが重要なのである。エッジAIで画像解析をすることによって、セキュリティリスクを犯してまでクラウドに画像データを投げ込む必要がないからだ。

また監視カメラなどの設置は、実は工事面などで大きな費用を発生させることが多い。必要があるとは言え、年に映像を一度見るか見ないか、くらいの活用頻度の監視カメラがほとんどであるだろうし、保険的な、つまり後向きの設備が大半であろうことは想像に難くない。これらの“後向き”なデバイスがマーケティングや顧客満足向上の前向きツールとなり得るわけである。

さあ、設置済みの監視カメラを見て、あなたは何かビジネスアイデアを思いつくだろうか?
監視目的が主だったIPカメラはAI時代とともに、まったく別なデバイスの側面を持つことになるだろう。