AI日本酒Barが飲み手、飲食店、蔵元をつなぐ

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日本酒ってハードル高い。1回飲んだことあるけど美味しくなかったからそれから飲んでない。そんな声をよく聞く。自分に合うタイプの日本酒が実はあるかもしれない、でもそれが何か分からないし、次にチャレンジするものがまた失敗の可能性があるので頼む気にはなれないだろう。

そんな経験がある方達に、一発で自分の好みを知ることができる、AI日本酒バーというものが存在する。今月16日にオープンしたばかりの代官山にあるAI酒屋バー「YUMMY SAKE Collective」だ。「YUMMY SAKE」という人工知能を用いた日本酒の味覚タイプ判定サービスを通じ、味覚という個性の定義を可視化することにより、 飲み手・飲食店・蔵元をつなぎ、 次世代日本酒ムーブメントのコアコミュニティを作り、 日本酒を中心に、 蔵元・飲食店・そして客との幸せな出会いを作ることを目的としている。

スタイリッシュな店内。右のバーカウンターでテイスティングを行う。普通のバーとしても楽しめる。

すでに日本酒好きの筆者が実際に体験をしてきた。店内に入ると、入り口にテイスティング専用のテーブル、奧左手にバーカウンター、右手に日本酒の冷蔵庫が並んでいる。AI診断をしたい場合はスタータキットを注文する。すると、黒い器に入れられた10種類の日本酒が運ばれてくる。「YUMMY SAKE」という専用WEBで会員登録をし、それをひとつひとつ飲み、5段階評価をつける。その後、次のページで好きな卵焼きの味や、梅干しの味などの質問を選択肢の中から選び、その結果を元にAIが「パタパタ」や「クルンクルン」などの12種類のオノマトペ(自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語)で独自に表現した「ヤミータイプ」で好きな日本酒を判別してくれる。筆者は「キュンキュン」であった。

テイスティングキット。色などにも惑わされないよう黒いカップに注がれている。

テイスティングキットはお酒に弱い人だと少しほろ酔いする程度の量。少量でこれだけの種類を同時に試せるのは嬉しい。テイスティングの酒はWEBからリストを確認でき、定期的に内容が変更されるのだそう。

それぞれのお酒に対して5段階評価をする
診断結果画面。イメージイラストと親しみやすい説明が記載されている
12種類のヤミータイプ

ヤミータイプが判定されると、バーカウンターの後ろにある日本酒の冷蔵庫から自分のヤミータイプの属する日本酒が提供され、そこで本当に自分の好きな味か答え合わせができる。その結果から店員が日本酒を1杯提供してくれるので、そこで本当に自分が好きかどうか答え合わせをすることができる。日本酒の冷蔵庫はヤミータイプごとに分かれて収納されている。他に気になるものがあればそこから注文ができる。以上で診断は終了だ。

ヤミータイプごとに分けられた日本酒の冷蔵庫
ヤミータイプ専用に製造された日本酒。こちらはシャラシャラタイプ

AIの仕組みとしては、数名の唎酒師が味の評価をし、それをもとにAIが12種類のヤミータイプに分類しているのだそう。ヤミータイプが診断された後は、登録をした「YUMMY SAKE」に、ヤミータイプごとのおすすめの日本酒が掲載されていてそこからECサイトで購入できたり、ヤミータイプのタグがつけられたイベント情報や飲食店情報が掲載されているので、色んなイベントやお店を気軽に楽しめるようになる。

実際の診断結果の精度だが、筆者が判定されたキュンキュンタイプを飲んでみたところかなり好みの味であった。同行した友人のタイプも試してみたが、少し自分には合わなかった。その他のタイプも試してみたが、他にも比較的タイプなものもあったので、多数のユーザーの投稿のデータを元に分類されたタイプの中でもどのような傾向があるのかなど分析をし、ユーザーにプラスαの情報として提供するのも面白いかもしれない。

現在のAIの仕組みについての感想は、最初にヒトが介入しなければならないため、今後新しく出てきた日本酒をヤミータイプに分けて登録するの時間がかかってしまうのが気になる。かといって、ヤミータイプがわかったところで日本酒とは奥が深いもので、瓶のラベルに記載された情報だけでは自分で新しい酒が自分のヤミータイプに合っているのか、「YUMMY SAKE」のサイトにその日本酒がアップされないと判断ができない。例えば酸度だけで見ても、同じ酸度でも、リンゴ酸、乳酸、クエン酸だったり様々で風味が異なってくる。そこも成分表にない違いを機械で分析できるようにし、唎酒師の判断と照らし合わせAIに学習させ、将来はAI単独で判断できるようになれば、今後はAIだけでジャンル分けができるようになるだけでなく、そのAIの精度が上がれば日本酒以外の酒に限らず飲食全般で利用できる可能性がある。店員に確認したところ、将来クラウドファンディングなどでそのシステムを導入することも考えているとのことであった。