駐車場も「amazon go」化する

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ドイツなどヨーロッパのいくつかの国では、鉄道に改札がない。もちろん運賃を支払わなければならないし、券売機はあるのだが、改札を通ることなく乗車できる。車内で抜き打ち検札は行われるが、全員を確認するわけではない。これを「信用乗車方式」という。無賃乗車の見逃しによる被害よりも、改札の設置やメンテナンス、改札の渋滞がもたらすコストのほうが大きいと考えているからだろう。

ピットデザイン社の駐車場管理システム「スマートパーク」も、駐車場における信用乗車方式といえるものだ。商業施設に併設された駐車場の多くでは、出入り口にゲート機を設置し、入場時に発券し、出庫時に精算する形となっている。それに対してスマートパークは、出入り口にゲートではなくカメラを設置し、入出庫する車のナンバープレートを記録している。車で来店した買い物客は、入庫時に何の手続きをすることもなく、そのまま駐車場に車を停める。買い物を終えると乗車前に精算機でナンバープレートを申告して精算し、車に乗って駐車場から出ていく。その間に物理的に遮るものは、なにもない。

ゲート機を無くすことで、駐車場の出入り口でゲート機を操作する必要がなくなり、ゲートを原因とした渋滞が発生しない。これまで、混雑時には出庫まで1時間かかっていた大型ショッピングモールの駐車場でも、出庫渋滞が大幅に緩和されて5分で出られるようになったケースもある。駐車場の使い勝手は、来店頻度に影響する重要なファクターであり、渋滞の緩和は利用者と店舗の双方に大きなメリットだ。また、ゲート機やロック板のような機械は、事故等で破損したときの修理や、除雪車が使えないことによる人手による除雪などのコスト増の要因になっていたため、コスト削減の面でもメリットは大きい。

ただ、料金を支払わなくても何の障害もなく外に出られるため、不正出庫が増えてしまうように思える。しかし、その実態は逆らしい。同社の調査によると、ゲート機を導入している駐車場での不正出庫率は0.7〜0.8%、ロック板では0.5%であるのに対し、スマートパークは0.2%と、半分以下になる。ナンバープレートを記録していると十分に周知することで、物理的な障害以上の抑止力が働くようだ。

現在は、精算機を使って精算する形となっているが、同社ではアプリ決済も視野に入れているという。こうなると、何の意識もせず、駐車場を利用できるようになる。信用乗車方式を超えてまさにamazon goと同じだ。これからは、買い物以外のところでも、amazon goと同じような体験を提供するサービスが出てくるのだろう。